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Snoonu が Amazon Bedrock と Amazon Personalize を利用してビジネスを革新した方法
Snoonu はカタールの先駆的な e コマースプラットフォームであり、単一の包括的なアプリケーションを通じて 15 の重要なサービスを提供しています。これらのサービスは、手軽な食事から、薬局の商品の緊急のお届け、食料品の買い物、パーソナルショッピングアシスタンス (Snoosend) まで、多岐にわたります。イノベーションと卓越性は、カタールにおけるショッピングと配送の最高のエクスペリエンスを提供することを目指す Snoonu の指針となっています。「Snoonu アプリケーション内で多くの新しいサービスをリリースし、国際的に展開していく予定です」と、Snoonu の CTO である Nikita Gordeev 氏は述べています。「Amazon Bedrock は、当社が新しいサービスの 1 つをリリースするのに役立ちました」。
人間の労力を多く必要とする分類とリアルタイムレコメンデーション
急成長中の e コマースマーケットプレイスである Snoonu は、2 つの主要な課題に直面していました。すなわち、1) 正確な分類の必要性と、2) コンテキストを踏まえ、パーソナライズされた、正確なリアルタイムレコメンデーションの必要性です。
Snoonu は急速に成長している一連のマーケットプレイスを抱えており、それぞれが独自のカタログ構造を持っていました。そのため、商品数の増加に伴い、課題が生じていました。「人間 1 人では、商品をどのカテゴリに分類すべきかを十分にすばやく判断することはできません。分類されていない商品が約 100 万点ありました」と Gordeev 氏は述べています。「これを手作業で行うと、最大 2 人年の作業量となる可能性があります」。また、同社はマーケットプレイスにおける不適切なコンテンツを自動的に検出する手段も持っていませんでした。
「スケールする中で、アプリケーション全体で商品や販売業者のランキングとレコメンデーションを最適化することが、ユーザーエクスペリエンスを強化し、成長を促進する上でますます重要になっています」と Gordeev 氏は述べています。Snoonu は当初、レストラン、食料品、マーケットプレイスなど、あらゆる業種の商品をカバーする単一のグローバルモデルを選択し、商品の閲覧、カートへの追加、購入などのコアなインタラクションを追跡していました。このセットアップはコンバージョンメトリクスの改善につながりましたが、週単位の更新に制限されていたため、ユーザーには同じ提案が連日表示され、商品を見つける機会が限られていました。同社はこれに対処するために、日単位の更新に移行し、業種固有のモデルを作成することで、結果がよりコンテキスト的に正確になるようにし、パフォーマンスを強化しました。「これは有益なイテレーションでしたが、24 時間というタイムラグは、Snoonu が企業として目指す応答性のレベルには依然として達していませんでした」と Gordeev 氏は述べています。Snoonu は、商品をレベルアップさせる時期が来たと悟りました。

Amazon Bedrock を利用した効率的な商品分類
Snoonu は、Amazon Bedrock と Anthropic の Claude 3.5 Sonnet を利用する生成 AI ソリューションを発表しました。これは、商品分類を効率化し、ユーザーエクスペリエンスを改善するためのものです。同社は Amazon Bedrock ナレッジベースを統合し、コンテキストを踏まえた情報をプライベートデータソースから基盤モデルに提供することで、商品分類を変革し、より関連性が高く、正確で、カスタマイズされた回答を提供します。このソリューションは、AI モデルを使用し、画像、名前、説明に基づいて、企業が定義した 3 つのレベルの階層に商品を自動的に分類することで、新しいカタログエントリを改善します。このソリューションにより、作業時間は 2 人年から約 1 か月間に短縮されました。
パートナーが Snoonu のマーケットプレイスに新商品を掲載すると、Snoonu のソリューションは直ちにそれを分類できます。このソリューションは、Amazon Bedrock ナレッジベースを活用し、カスタマイズ可能な強化された自動分類を実現します。人による作業を大幅に削減することで、同社は、これまで煩雑なチェックやカタログ更新に費やされていたスタッフの時間を解放し、チームは新機能の開発に注力できるようになりました。Snoonu はまた、生成 AI を活用してコンテンツの正確なフラグ付けを行う自動コンテンツモデレーションシステムを構築しており、より安全なユーザー環境を実現しています。「AI の力を活用し、AWS チームの協力を得て、毎月改善し続けています」と Gordeev 氏は述べています。

リアルタイムパーソナライゼーション
ユーザーエンゲージメントを強化し、セッションに応じた動的な提案を提供するために、Snoonu は次の課題、すなわち、リアルタイムパーソナライゼーションの実装に取り組みました。これを実現するために、同社は Amazon Personalize を利用して、ユーザーインタラクション、バッチトレーニング、リアルタイムレコメンデーションをシームレスに統合するアーキテクチャを構築しました。Amazon Personalize は、企業のデータを活用してユーザー向けの商品レコメンデーションを生成するフルマネージド深層学習 (DL) サービスです。小売業者は、イベント (閲覧、サインアップ、カートへの追加など)、商品のメタデータ (説明、価格など)、ユーザーメタデータ (デバイスタイプ、国など) を含むエンドユーザーに関するデータを提供します。Amazon Personalize はこのデータを利用して、API を介してアプリケーションに表示できるレコメンデーションを生成するカスタムプライベートモデルをトレーニングします。
「当社のアーキテクチャは、アプリケーション全体でのユーザーインタラクションをキャプチャし、業種で関連イベントをフィルタリングするために、Amplitude Analytics を利用したデータ収集を含みます。フィルタリングされたイベントは Amazon Kinesis を通じてリアルタイムでストリーミングされ、BigQuery への日々のエクスポートには、モデルの再トレーニング用の履歴データが保存されます。バッチモデルトレーニングでは、ユーザー、商品、インタラクションの構造化データセットを BigQuery に保存し、Databricks で日々処理します。検証と特徴量変換の後、データは Amazon S3 にエクスポートされ、AWS Personalize を通じてモデルを再トレーニングするために使用されます。この日々のパイプラインにより、レコメンデーションエンジンは常に最新の状態を保つことができ、最新のユーザー行動とコンテキストに合ったものとなります。リアルタイムレコメンデーションについては、スキーマの検証、Amazon Personalize の更新、レコメンデーションの更新をトリガーする AWS Lambda 関数を利用しています」と Gordeev 氏は述べています。「Amazon Personalize を利用した当社のジャーニーは、「シンプルに始め、迅速に学習し、スマートにスケールする」という当社の考え方を実証しています」。

時間の節約、成長、自動検出
商品分類プロジェクトがもたらした影響:
- 初期の分類で約 2 人年分の労力の削減
- 新規商品の分類で毎月 55 人日分の労力の削減
- 売上コンバージョン率が 10% 向上
- 注文数が 1.5 倍に増加
2024 年 7 月から 12 月までの期間において、リアルタイムレコメンデーションプロジェクトがもたらした影響:
- 流通取引総額 (GMV) が 260 万 USD 増加し、収益成長に大きく貢献
- カートレコメンデーションを通じて「カートに追加」イベントが最大 1,600% 増加し、時間が経過する中でコンバージョン率が継続的に改善
- GMV での 47 倍の投資収益率を実現
- 少なくとも 1 つの推奨商品を含む注文のバスケットサイズに対する平均 30% の貢献
ついに、Snoonu は国際展開という目標を達成する準備が整いました。
「AWS のおかげで、スタートアップである当社は、スタートアップステージ中の非常に基本的なデプロイから、ビジネスを国際的に拡大するためのアーキテクチャへと移行できました」と Gordeev 氏は述べています。「例えば、仮想マシンから Amazon ECS (Elastic Container Service) へ、そして Amazon EKS (Elastic Kubernetes Service) へと移行するのは非常に簡単です。当社は、スケールのためのデータベースとしての Amazon Aurora Serverless などのより優れたソリューションを利用するために、インフラストラクチャを常に変更しており、ビジネスに支障をきたすことなく移行できます。AWS 上でサービスを構築することは、今日、明日、そして 10 年後のお客様のニーズに応えるのに役立つと信じています」。
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Nikita Gordeev
Nikita 氏は、カタールでも極めて急速に成長しているテクノロジー企業である Snoonu の Chief Technology Officer です。同氏は 10 年を超える期間にわたって、銀行、通信、E コマースの各分野でソフトウェア開発に専念し、リーダーシップを発揮してきました。MIT で情報セキュリティと高度研究の修士号を取得しており、常にオープンな姿勢で、関心のある人々と知識やインサイトを共有することに熱心です。

Chris Saleski
Chris Saleski は AWS Global Customer References Lead for Migration & Modernization です。Chris は以前、Microsoft に勤務しており、DevOps およびビッグデータ分野のパートナーとの共同マーケティングキャンペーンを主導し、ビジネスの成長と顧客の Microsoft Azure への移行を支援しました。Microsoft に入社する前は、インテルの Marketing Director として、ゲームおよび HPC 分野の最先端ソフトウェアデベロッパーが、新興ストレージ向けにアプリケーションを最適化するのを支援していました。Chris はミシガン大学で MBA と機械工学の学位を取得しています。
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