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製造・金融・メディア・レジャー ~業界における生成AI活用の最前線~
生成AIの向かう先
2025年10月時点での生成AI活用はまず生産性の向上、つまり人間が行う業務の代わりをさらに効率化していくことに主眼が置かれています。しかしながら生成AIの価値はそれだけにとどまらず、今後は人間の置き換え以上のビジネス効果をもたらすことが期待されます。一般業務の改善の次に来るのは特定の業務や業界に特化したソリューションであると言われています。実際Gartner*は、2027年までに生成AI モデルの半数以上がドメイン固有(特定の産業または業務機能に特化)となると予測しています。これは2024年時点でのドメイン固有の割合1%と比べると飛躍的な伸び率と言えるでしょう。
参考:
“2027年までに企業が利用する生成AI モデルの半数以上がドメイン固有(特定の産業または業務機能に特化)となり、 2024年の1%から大幅に増加する”
*Gartner, Generative AI Models, Worldwide, 2023-2029, Q2’25
それぞれの業界課題と生成AIを使った解決例
それでは業界に特化した課題とどのように生成AIがそれらを解決できるのか、いくつかのユースケースを使って解説しましょう。
「金融業界向けAIソリューション」
金融業界では新たなビジネスモデルを模索する一方、厳格なコンプライアンス対応、レギュレーションの遵守が求められています。例えばコールセンターでの音声データのチェックは、経験のある専門家が音声を聞いてチェックしているケースが多くあります。もちろんすべての音声記録をチェックできればよいのですが現実的には困難でしょう。また大量の作業を行えば、チェックの品質の低下も懸念されます。このような作業に生成AIを活用することで、膨大な音声記録を一定の品質でチェックすることが可能になります。クレジットカードのレギュレーションチェックもとても手間がかかる一方、属人化している業務です。大手クレジットカード会社ですと年に2回の大きなレギュレーションの変更があり、そのドキュメントのページ数は1000ページになることもあります。また変更の内容によっては複数部署での対応が必要となり、その影響範囲と内容の注意点を説明する資料を作ることも大きな負担となっています。こういった課題を解決するために、生成AIを利用して大量の文書を分析し、変更内容や影響範囲をチャットでわかりやすく教えてくれる仕組みが考えられます。
「製造業界向けAIソリューション」
製造業では生産の自動化が進む一方、人材不足、技術継承が大きな課題となっています。例えば設備管理においては、人がそれぞれ設備を目視でチェック、紙の報告書に記載してあとからパソコンに入力するといったことが行われているケースはまだまだ多いでしょう。加えて何らかの異常を検知した際に正しい判断を、短い時間で行うことは経験者が持つ暗黙知のなせる技とも言えます。こういった属人化を解消するために、例えばアナログメータをAIカメラが読み取り定期的に記録、異常があれば通知する仕組みが考えられます。
また過去の記録から最適な対応策をAIがアドバイスする仕組み、手袋をしていてパソコン入力ができない作業者を補助する音声によるデータの記録、マニュアルの必要な部分を読み出して解説する機能などで、生産性の飛躍的な向上を目指します。
「エンターテイメント、レジャー業界向けAIソリューション」
エンターテイメント、レジャー業界で新たな収益の柱をもたらすことが期待されるのはパーソナライゼーションです。エンターテイメントの世界ではSNSを通じた顧客接点の拡大が重要になってきています。デバイスとしては多くの場合にスマートフォンになるわけですが、通常は横型で作成されている映像コンテンツを縦型にに編集するのは、実は容易ではありません。単純に映像を中央で切り取るとストーリー上重要な部分をカットしてしまうこともあり得るからです。このような作業はとても手間がかかりかつセンスが求められます。AIによるプロフェッショナルなテクニックを用いた編集で短時間に大量のコンテンツ変換ができれば、SNSへの情報発信もタイムリーにできるようになります。レジャー・トラベル業界でもパーソナライゼーションの導入が加速しています。多種多様なサービスを提供するトラベル体験のパーソナライゼーションは、それぞれのサービスごとのAIエージェントとスーパーバイサーエージェントが情報をやり取りすることで実現できます。
業界固有の知見を持つパートナーの価値
上記のような業界固有のソリューションの開発には、AI技術や実装方法の知識や経験だけではなく、それぞれの業界に高い知見をもつパートナーの存在が欠かせません。AWSには各業界に精通した様々なパートナーが多数存在し、専門知識とソリューションの活用、セキュリティとコンプライアンス、コスト最適化やイノベーションの加速をAWSと一緒にご支援させていただいています。 AWS パートナーは業界の規制や組織構造、プロセスを熟知しており、AI の活用の仕方やビジネス効果を出すためのプロセス等の適切なアドバイスをすることが可能です。実際に上述した業界特有の課題に対して様々な AWS パートナーが AI ソリューションを開発しています。「 AI の導入を考えているけどどこから手を付けてよいかわからない」、「ビジネスとして効果が出せるのか悩んでいる」、「AI 技術の進歩が早く、最適な AI 技術の選択に不安を感じている」といったような課題をお持ちの方にはぜひとも以下に紹介するイベントにご参加いただきたいと思います。
AWS Industry GenAI Innovation Dayイベント概要
生成AI(Generative AI)の実用フェーズが加速する中、先進企業はすでに具体的な成果を生み出しています。製造現場のスマート化、金融サービスの革新、レジャーやエンターテインメントの進化など、各業界で実践的なソリューションが次々と実現されています。
本イベントでは、業界をリードするAWS認定パートナーが、製造、金融など分野における活用事例と導入のポイントをご紹介します。
各パートナーによる最新ソリューションのプレゼンテーションに加え、特別企画として、AWSガイド付きのブースツアーを予定しております。少人数グループで効率的にすべてのソリューションをご体験いただけます。各ブースでは実機デモを交えながら、貴社特有の課題に対する解決策を専門家と直接ご相談いただける機会がございます。
また、ブース訪問された方には、AWSオリジナルグッズをご用意しております。
ビジネス革新に向けた確かな一歩を踏み出すための、実践的な機会です。
皆様のご参加を心よりお待ちしております。
※より充実したディスカッションの場とするため、定員を120名とさせていただいております。
定員に達し次第、申し込みを締め切らせていただきます。
日時:2025 年 11 月 4 日(火)14:00–17:30(13:30 受付開始)
場所:AWS 目黒オフィス 目黒セントラルスクエア 21 階(東京都品川区上大崎 3-1-1)
主催:アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社
参加費:無料(要事前申込)
参加申込:こちらのお申込みフォームからお申込みください。
展示テーマ
「金融業界向けAIソリューション」
金融業界では新たなビジネスモデルを模索する一方、厳格なコンプライアンス対応、レギュレーションの遵守が求められています。本イベントではコールセンター等の音声データ分析による金融規制対応の自動化、決済カードレギュレーションチェックプロセス業務効率化、脱属人化を実現するAIソリューションを紹介します。
「製造業界向けAIソリューション」
製造業では生産の自動化が進む一方、人材不足、技術継承が大きな課題となっています。より少ない人数で質の高い設備管理が行えるような、AIカメラソリューション、設備管理の自動化、作業実績の自動記録からマニュアルの音声での呼び出しまで、製造・プラントの現場で役に立つソリューションをご紹介します。
「エンターテイメント、レジャー業界向けAIソリューション」
エンターテイメント、レジャー業界で新たな収益の柱としてより適切なパーソナライゼーションが期待されています。顧客接点の可能性を広げるSNS向け動画自動編集、個人に最適化された旅行体験を提供する最新のAIサービスをご紹介します。
来場者特典
事前お申込みのうえ当日ブースツアーで5箇所以上にご参加いただきましたお客様へ先着 100 名限定で、イベント特製の持ち運び可能コンパクトPCスタンドをプレゼントいたします!
※ 画像はイメージです。実物と異なる場合がございます。
当日はソリューションプロバイダー各社の展示ブースで製品デモをご覧いただけるほか、各社と個別にご相談できる機会も提供いたします。
こちらのお申込みフォームからお申込みください。
皆様のご参加を楽しみにお待ちしております!