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【開催報告】 消費財業界向け Amazon Q in QuickSight ワークショップ ~生成 AI で加速するインテリジェントデータ分析~
2025 年 6 月 9 日、AWS 目黒オフィスにて消費財業界向け Amazon Q in QuickSight ワークショップを開催いたしました。本イベントには 22 社 50 名の方々にご参加いただき、生成 AI を活用したデータ分析の新しい可能性について、実践的な学びの場を提供することができました。
イベントの背景と目的
近年、企業の意思決定においてデータ活用は不可欠となっています。しかし、多くの企業が膨大なデータから迅速に意思決定につながるインサイトを得ることに苦心し、データ分析の専門知識を持つ人材の不足に直面しています。さらに、システム部門はダッシュボード作成に十分な工数を割くことができず、ビジネス部門は分析スキルの不足や情報の複雑さにより、効果的にデータ活用ができないという現状があります。これらの課題に対し、生成 AI 技術を活用した BI ツールが新たなソリューションとして注目を集めています。本ワークショップでは、AWS の最新サービスである Amazon Q in QuickSight を通じて、生成AI x BI のデータ分析アプローチを体験していただく機会を設けました。
セッション内容
生成 AI x BI の概要説明とデモ
ワークショップの最初のセッションでは、データ分析における生成 AI の可能性と Amazon Q in QuickSight の機能について解説を行いました。自然言語でのダッシュボード作成、データの解釈に関する Q&A 機能、そしてデータストーリーの自動生成という 3 つの機能について、消費財業界向けのサンプルデータを用いたデモを実施しました。システム部門ユーザーとビジネス部門ユーザーそれぞれの視点から、具体的な活用シーンを紹介し、生成 AI と BI の融合がもたらす具体的なビジネス価値について説明しました。
ハンズオン
続くセッションでは、参加者の皆様に実際の Amazon Q in QuickSight を使用したダッシュボードの作成とデータ分析を体験していただきました。消費財業界の受注・出荷データを用いて、テーブル形式のビジュアルや時系列の積み上げ棒グラフなど、様々な形式のデータ可視化を自然言語での指示で作成しました。参加者は「受注金額が一番多い日」や「発注者ごとの出荷金額」といった具体的な問いかけを行い、Amazon Q in QuickSight が即座に適切なビジュアルと回答を提供する、これまでにない分析体験を得ることができました。
ユースケースディスカッション
ディスカッションパートでは、参加者は実際の業務課題に基づいたデータ分析ダッシュボードの設計に取り組みました。このセッションでは、現場の具体的な課題からスタートし、生成 AI を活用した解決策の提案まで、段階的なアプローチで議論を深めていきました。
まず個人ワークでは、現場で直面している課題を具体的なストーリーとして言語化することに注力しました。参加者は「○○部署の A さんが××を見れなくて『XYZ できない』と困っている」という形式で課題を特定し、その可視化に必要な条件を 5W1H の形式で整理しました。
続くダッシュボード設計のフェーズでは、各参加者が具体的なラフスケッチを作成しました。ダッシュボードを端的に表現するタイトルの設定、ビジュアルの効果的な配置、フィルター機能の活用方法、KPI の視覚化方法など、実用的な観点から設計を進めました。特に今回は、生成 AI の活用を前提として、自然言語での問いかけとそれに対する期待する描画内容を具体的に検討し、Amazon Q in QuickSight の特徴を活かしたアイディアを考えていただきました。
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グループディスカッションでは、各参加者が自身のダッシュボード案を説明し、活発な質疑応答が行われました。議論は特定した現場の課題、提案するダッシュボードの概要、生成 AI の活用方法、実装における工夫点など、多岐にわたりました。各グループで選出された代表者による全体発表では、実務に即した具体的な提案が共有され、参加者全員で知見を深めることができました。
懇親会
セッション終了後の懇親会では、参加者同士の交流を深めながら、各グループから提案されたダッシュボードのアイデアについて投票を行いました。参加者からの投票ではアルフレッサ伊賀様が、AWS メンバーからの投票ではアクタス則武様のアイデアが選出されました。両者とも、実務における課題を踏まえた実践的な提案として高く評価されました。
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お客様の声
ワークショップ全体を通じて、他のお客様との交流による新しい知見の獲得や、BI と生成 AI の具体的な活用シーンの理解、実践的なハンズオン体験について、多くの好評の声をいただきました。特に、今後の活用領域として売上・業績予測や複数データの横断分析、自然言語による簡易作成機能への期待が寄せられ、具体的な業務適用への検討意欲も高まりました。
おわりに
本ワークショップは、生成 AI を活用したデータ分析の可能性と実用性について、参加者の皆様に具体的なイメージを持っていただく貴重な機会となりました。今後も、お客様のビジネス課題解決に貢献できるよう、より実践的で価値のある機会を提供してまいります。ご参加いただいた皆様に心より御礼申し上げます。