Amazon Web Services ブログ
週刊AWS – 2026/9/21週
みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの戸塚です。今週も 週刊AWS をお届けします。
すっかり秋めいてきて、朝晩は肌寒さを感じる日も増えてきましたね。今週は Claude Opus 5.5 や OpenAI GPT-6 Sol / Luna の Amazon Bedrock 提供開始、Amazon Connect のエージェント間コラボレーション、AI ネイティブなオブザーバビリティ Amazon CloudWatch Omni など、AI エージェント関連のアップデートが目白押しでした。そんな AI の盛り上がりは、そのままイベントシーズンの秋にも続きます。10/13(火)〜 16(金) に幕張メッセで開催される CEATEC 2026 に AWS ジャパンがブース出展し、Physical AI の展示を予定しています。来場事前登録も始まっていますので、ぜひチェックしてみてください。
それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。
2026年9月21日週の主要なアップデート
- 9/22(火)
- Amazon Connect Customer がエージェント間コラボレーションに対応
Amazon Connect Customer が、ライブの顧客対応中に複数の AI エージェントが連携するエージェント間コラボレーションに対応しました。Connect Customer 内の AI エージェント同士だけでなく、Amazon Bedrock AgentCore 上のエージェントやサードパーティ製の外部 AI エージェントとも、オープン標準の A2A (Agent2Agent) プロトコルを介してテキストまたは双方向音声で連携できます。AWS は Linux Foundation の A2A 技術運営委員会と協力し、音声ストリーミングとインタラクション単位のセッション継続性をプロトコルに追加しました。すべてのエージェントの発話・ツール呼び出し・所要時間は単一のコンタクトレコードに記録され、分析と AI 品質管理に利用できます。 - AWS Security Hub AI Inventory が Azure セルフホストインスタンスのサポートを追加
AWS Security Hub の AI Inventory 機能が、Microsoft Azure の仮想マシン上で稼働するセルフホスト型 AI アセットの検出とカタログ化に対応しました。Amazon Inspector の SBOM (ソフトウェア部品表) 分析が強化され、Azure VM 上の推論エンドポイント、モデル、AI エージェント (Ollama、vLLM、Hugging Face TGI など) を識別できます。検出された AI アセットは基盤インフラにマッピングされ、セキュリティ検出結果と関連付けられるため、AWS と Azure をまたいだ組織全体の AI インベントリをフィルタリング、グループ化、クエリできます。本機能は Security Hub Essentials に追加料金なしで含まれ、Security Hub が提供されるすべての AWS 商用リージョンで利用できます。 - AWS Glue Data Quality がコンテキストに応じたルール推奨を数秒で提供
AWS Glue Data Quality のルール推奨機能に、新しい ADVANCED モードが追加されました。Amazon Bedrock の生成 AI がテーブルのメタデータとサンプル行からデータの意図を検出し、全カラムをカバーする DQDL ルールを数秒で提案します。従来の統計ベース (BASIC モード) では導出できなかった、データの利用実態を反映したビジネスルールを提案できる点が特徴です。ユーザーは推奨されたルールをレビュー・調整してルールセットとして保存すれば、すぐにデータ品質のモニタリングを開始できます。東京リージョン、大阪リージョンを含む 17 リージョンで利用できます。 - Claude Opus 5.5 が AWS で利用可能に
Anthropic の最上位モデル Claude Opus 5.5 が 2026 年 9 月 22 日から AWS で利用できます。Claude 5.5 モデルファミリーの第 1 弾で、長時間のコーディングやナレッジワークを対象とし、実行内容・発見事項・次に必要なことを報告しながら動作します。価格は 100 万トークンあたり入力 4 ドル、出力 20 ドルで、Opus 5 から 20% 値下げされ、キャッシュ読み取りは 0.20 ドルと 60% 値下げされました。トークン消費量の削減と合わせ、典型的なワークロードで総コストは約 40% 下がります。提供経路は Amazon Bedrock と Claude Platform on AWS の 2 つで、東京リージョンからは日本国内 (東京・大阪) にデータを閉じた geo(地理)ベースのクロスリージョンで利用できます。 - OpenAI GPT-6 Sol および GPT-6 Luna が Amazon Bedrock で一般提供開始
AWS は 2026 年 9 月 22 日、OpenAI の GPT-6 Sol と GPT-6 Luna を Amazon Bedrock で一般提供開始しました。9 月 8 日に提供開始した最上位モデル GPT-6 Astra に続くもので、GPT-6 ファミリーは 3 モデル構成になります。Sol はソフトウェア開発や反復的な複雑タスク向けの日常用モデルで、OpenAI 社内の事実性評価では GPT-5.6 Sol と比較して誤りの数が約半分です。Luna は要約・抽出・分類・ルーティングなど大量処理向けの効率重視モデルで、リクエスト単位で reasoning effort を調整できます。両モデルとも最大 1M トークンのコンテキストに対応します。 - Billing Transfer が 2 階層転送でのビリンググループ自動作成に対応
AWS Billing Transfer に、AWS Billing Conductor の新しい設定「Auto-Billing Transfer Billing Group Creation」が追加されました。2 階層 (two-level) の請求転送において、エンドカスタマーがセラーパートナーからの請求転送を承諾した時点で、ビル受領者 (ディストリビューター) のアカウントにビリンググループが自動作成されます。従来は転送ごとに手動でビリンググループを作成する必要があり、設定漏れがあるとプロフォーマコストデータを参照できませんでした。設定はインバウンド転送ごとに 1 回行うだけでよく、自動作成されるビリンググループに適用する料金プランも指定できます。新しい 2 つの API (UpdateBillingTransferPreference、GetBillingTransferPreference) とマネジメントコンソールの Billing Transfer 詳細ページから設定できます。
- Amazon Connect Customer がエージェント間コラボレーションに対応
- 9/23(水)
- Amazon CloudWatch Omni: エージェントとアプリケーションのための AI ファーストオブザーバビリティ
Amazon CloudWatch Omni が一般提供を開始しました。Omni は CloudWatch の進化版として位置づけられる AI 活用型のオブザーバビリティ体験で、アプリケーションと AI エージェントを 1 つの場所で観測・トラブルシューティングできます。AWS コンソールの外にある専用 URL と SSO でサインインするスタンドアロン Web 体験、および VS Code / Cursor / Kiro 向けの IDE 拡張機能として提供されます。OpenTelemetry を基盤とし、既存の CloudWatch テレメトリは再設定なしでそのまま表示され、Azure VM や AKS 上のワークロードも監視対象にできます。LangGraph、CrewAI、OpenAI Agents SDK、Vercel AI SDK、Strands などのフレームワークに対応した評価駆動のエージェント開発ワークフローを備え、バージニア北部リージョン、オレゴンリージョン、アイルランドリージョンで利用できます。 - Amazon Bedrock Managed Knowledge Base が Salesforce と Zendesk のネイティブデータソースコネクタに対応
Amazon Bedrock Managed Knowledge Base (フルマネージド RAG サービス) に、Salesforce と Zendesk のネイティブデータソースコネクタが追加されました。Salesforce の Knowledge 記事とドキュメント、Zendesk のヘルプセンター記事とコミュニティ投稿を、認証情報を設定するだけでナレッジベースに同期できます。従来必要だったカスタムインジェストパイプラインの構築が不要になり、クロール、メタデータ抽出、増分同期をコネクタが自動で処理します。同期スケジュール (日次・週次・月次) の設定にも対応し、サポートナレッジを最新の状態に保った AI アシスタントを構築できます。
- Amazon CloudWatch Omni: エージェントとアプリケーションのための AI ファーストオブザーバビリティ
- 9/24(木)
- スケーラブルな LLM 推論のための Amazon SageMaker HyperPod Inference Gateway
Amazon SageMaker HyperPod Inference Gateway は、EKS 上の HyperPod クラスタ向けの Kubernetes ネイティブな LLM 推論ルーティング層です。従来のラウンドロビン方式に代わり、KV キャッシュ使用率やキュー深度など 6 つの推論シグナルで各モデルサーバー Pod をリアルタイムにスコアリングし、リクエストごとに最適な Pod を選択します。混合 GPU 世代やバーストトラフィックのシナリオで p99 TTFT を 97–98% 削減し、最初のトークンまでの遅延を最大 82% 短縮します (4.4 秒 → 800 ms 未満)。HyperPod Inference EKS アドオン v2.0.0-eksbuild.2 として提供され、アプリケーションコードの変更なしで vLLM や SGLang などの OpenAI 互換モデルサーバーと組み合わせて利用できます。
- スケーラブルな LLM 推論のための Amazon SageMaker HyperPod Inference Gateway
- 9/25(金)
- AWS End User Messaging と Amazon SES が AWS MCP Server 向けの AI agent skills を提供開始
AWS End User Messaging と Amazon SES が、AWS MCP Server 向けの AI agent skills を公開しました。開発者は Claude Code、Codex、Cursor、Kiro などの AI コーディングエージェントに自然言語で指示するだけで、送信 ID の検証、RCS エージェントの構築、本番メールの送信といったメッセージングタスクを完了できます。skills は amazon-ses、aws-sms-voice、aws-social-messaging の 3 種類が GitHub の Agent Toolkit for AWS リポジトリ (Apache-2.0 ライセンス) で公開されており、追加料金なしで利用できます。これまで複数のドキュメントページとコンソール画面を行き来していた作業を、エージェントとの対話だけで進められるようになります。 - AWS End User Messaging が WhatsApp での音声通話に対応
AWS End User Messaging Social で、WhatsApp 上の音声通話の発着信ができるようになりました。メッセージングに使用している検証済みのビジネス電話番号をそのまま使い、チャットスレッドから離れずに通話へ移行できます。顧客からビジネスへの発信と、通話許可を得た顧客へのビジネスからの発信の双方向に対応します。有効化と管理はコンソールまたは API で行い、AWS End User Messaging Social が利用可能なすべてのリージョン (東京リージョン、大阪リージョンを含む 34 リージョン) で利用できます。 - AWS Elastic Disaster Recovery が AWS Graviton ベースのソースサーバーをサポート
AWS Elastic Disaster Recovery (AWS DRS) が、AWS Graviton ベース (arm64) の EC2 インスタンスをソースサーバーとしてサポートしました。DRS は arm64 ソースサーバーを自動検出し、Graviton インスタンスへ復旧するため、ワークロードのアーキテクチャを維持したまま DR を構成できます。x86 ワークロードと同じ操作で利用でき、追加設定や追加料金は不要です。対象は AWS 上の Graviton インスタンスから AWS への復旧 (AWS-to-AWS) に限定され、オンプレミスや他クラウドの arm64 サーバーは対象外です。DRS が利用可能なすべてのリージョンで提供されます。 - AWS DataSync がアカウント全体のタスク実行を追跡するモニタリングダッシュボードを提供開始
AWS DataSync のコンソールに、アカウント内のタスク実行を一覧できるモニタリングダッシュボードが追加されました。各タスク実行のステータス、データおよびファイルの転送レート、所要時間、転送済みデータ量とファイル数を 1 つの画面で確認できます。従来は実行を個別に確認するか、カスタムの Amazon CloudWatch ダッシュボードを構築する必要がありました。追加料金は不要で、DataSync が利用可能なすべての商用リージョンと AWS GovCloud (US) リージョンで利用できます。
- AWS End User Messaging と Amazon SES が AWS MCP Server 向けの AI agent skills を提供開始
今週振り返ってみると、華やかな新モデルの話題の裏で、AWS Glue Data Quality のルール推奨や AWS Elastic Disaster Recovery の Graviton 対応、DataSync のモニタリングダッシュボードなど、日々の運用をそっと楽にしてくれるアップデートが着実に積み上がっているのが印象的でした。派手さはなくとも、こうした改善の積み重ねが現場を支えてくれますね。次回もお楽しみに。
それでは、また来週お会いしましょう!