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AWS Summit Japan 2025で体験!生成 AI でロボットが人間の指示を理解する未来
はじめに
こんにちは!ソリューションアーキテクトの西亀真之です。今回は、AWS Summit Japan 2025 の1日目 (2025年6月25日) に展示予定の「生成 AI でロボットが人間の指示を理解!」というデモについて、その魅力と背景にある技術をご紹介します。このデモでは、Amazon Bedrock の生成 AI 技術を活用して、Mini Pupper という小型四足歩行ロボットを自然言語で直感的に操作する体験ができます。
「ダンスして」「前に歩いて、その後に右に曲がって」といった日常的な言葉で指示するだけで、ロボットが理解して動く様子は、まるで未来から来たかのような体験です。しかも、事前にプログラムしていない指示でも、生成 AI がうまく解釈してロボットの動きに変換してくれる柔軟性も魅力の一つです。どのような指示でも何かしようと頑張る姿は、思わず愛着が湧いてくるほど可愛らしいものです。
デモで体験できること
このデモでは、以下のような体験ができます:
- 自然言語でのロボット操作: 専門的な知識がなくても、日常会話のような言葉でロボットを操作できます
- 生成 AI による指示の解釈: 曖昧な指示や複雑な指示も、生成AIが適切に解釈してロボットの動きに変換します
例えば、「嬉しそうに踊って」と指示すると、Mini Pupper は頭を上下に振りながら前後に動いたり、「悲しそうに歩いて」と言えば、頭を下げながらゆっくりと歩いたりします。事前にプログラムされていない行動でも、生成 AI が「嬉しい」「悲しい」といった感情表現を解釈し、適切なロボットの動きに変換してくれるのです。
背景にある技術
このデモの裏側では、以下の AWS サービスと技術が連携して動作しています:
1. Amazon Bedrock による自然言語処理
デモの中核となるのは、Amazon Bedrock の大規模言語モデル(LLM)です。今回のデモでは、軽量なモデルである Claude 3.5 Haiku を利用しています。ユーザーからの自然言語の指示を受け取り、ロボットが理解できるコマンドの組み合わせに変換します。例えば「前に歩いて、その後に右に曲がって」という指示は、以下のようなコマンドに変換されます:
['move_forward:0.5:2.0', 'stop:0:0.5', 'turn_right:-1.0:1.0', 'stop:0:0.5']
2. Amazon Bedrock Agents によるアクション実行
Amazon Bedrock Agents は、生成 AI が作成したコマンドを受け取り、AWS Lambda を通じて AWS IoT Core 経由でロボットにコマンドを送信します。
3. AWS IoT Core による安全な通信
AWS IoT Core は、クラウドとロボット間の安全で信頼性の高い通信を実現します。MQTT プロトコルを使用することで、低レイテンシーでリアルタイムな制御が可能になっています。ロボットがコマンドを受信すると、そのコマンドに基づいて対応するアクションを実行します。ロボットの制御では ROS2 というロボット開発で広く使われるソフトウェアを利用しています。
デモの見どころ
このデモの見どころはユーザからの指示を事前に細かく設定せずとも、生成 AI が柔軟に指示を解釈し、動作を生成してくれるところになります。あらかじめ定義された基本的な動作(前進、後退、回転など)を組み合わせることで、事前に明示的にプログラムしていない複雑な行動も実現できます。生成 AI が人間の意図を理解し、適切な動作の組み合わせを考え出すことで、ロボットの可能性が大きく広がります。
例えば、「犬のように振る舞って」という指示に対して、生成 AI は「吠える」「尻尾を振る(体を揺らす)」「四つん這いで歩く」といった基本動作を組み合わせて、犬らしい振る舞いを作り出します。ブースにお越しいただいた際にはロボットに対して無茶振りをしてみてください。
AWS Summit Japan 2025 でぜひ体験を!
このデモは、AWS Summit Japan 2025 の1日目の6月25日にブース B-131-A で体験いただけます。実際に自分の言葉で Mini Pupper を操作する体験は、文章や画像だけでは伝わらない感動があります。
ぜひ会場にお越しいただき、生成 AI とロボティクスの融合がもたらす新しい可能性を体感してください。皆さまのご来場をお待ちしております。
まとめ:生成 AI とロボティクスの未来
Amazon Bedrock のような生成 AI 技術とロボティクスの融合は、まだ始まったばかりです。今回のデモで示したような自然言語インターフェースは、ロボットとのコミュニケーション方法を変える可能性を秘めています。将来的には、家庭用ロボット、産業用ロボット、介護ロボットなど、様々な分野で自然言語による直感的な操作が当たり前になるかもしれません。
AWS Summit Japan 2025 のデモブースで、その未来の一端を体験してみませんか?皆さまのご来場を心よりお待ちしております。
イベント情報
- イベント名: AWS Summit Japan 2025
- 日程: 2025年6月25日 (Day 1)
- 場所: AWS Expo の AWS Builders’ Fair の中にあります。詳細はこちら。
- デモブース名: 生成 AI でロボットが人間の指示を理解!
- ブース番号: B-131-A
このブログ記事が、AWS Summit Japan 2025 のロボティクスデモに興味を持っていただくきっかけになれば嬉しいです。