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AWS SimuLearn: Generative AI – 「生成AI」を無料で学習しましょう!

本ブログは 2025 年 7 月 5 日現在の内容を元に記載しております。記載内容については今後変更される可能性があります。

こんにちは ! テクニカルインストラクターの室橋です。本ブログでは、現在注目を集めている生成 AI について無料で利用できる学習コンテンツ「AWS SimuLearn」についてご紹介いたします。

AWS SimuLearn とは?

AWS SimuLearn は、生成 AI を搭載した仮想顧客とのチャットを通じて実践的な AWS スキルを身につけられる新しい学習プラットフォームです。顧客の課題をヒアリングし、最適なソリューションを提案するプロセスを体験した後、実際の AWS アカウントを使用したハンズオンラボで技術スキルを向上させることができます。

AWS SimuLearn で無料プレイできるラボ一覧

このたび、AWS SimuLearn において生成 AI に関するラボと、クラウドの基礎 (Cloud Practitioner) に関するラボが無料かつ日本語対応で提供開始されました。これにより、コース内から起動可能な AWS アカウントを使用した演習環境をどなたでも利用できます。AWS を活用して生成 AI アプリケーションの開発を学びたい方や、AWS Certified AI Practitioner (AIF) 認定の取得を目指している方にとって、最適な学習機会となるでしょう。

以下に、現在無料で利用可能な SimuLearn の生成 AI 関連コースの一覧をご紹介します。なお、下記の 10 コースは「AWS SimuLearn: Generative AI Practitioner (日本語)」という学習プラン (コースをセットにして学習しやすくしたもの) に登録することにより、一覧性のあるページより学習の開始が可能です。

AWS SimuLearn: Generative AI Practitioner コース一覧

課題名 シナリオ 目標
クラウド、はじめの一歩 島の安定化システムは故障しており、システムのコンピューティングモジュールの信頼性と可用性を高める必要があります。
  • AWS グローバルインフラストラクチャの利点を特定する
  • AWS リージョンとアベイラビリティーゾーンについて説明する
  • Amazon EC2 インスタンスを複数のアベイラビリティーゾーンにデプロイする方法を説明する
クラウドコンピューティングの基本 シティのウェブポータルチームは、自社の海岸波サイズ予測ウェブページの信頼性を高めるソリューションを求めています。
  • AWS クラウドコンピューティング環境の特徴を確認する
  • AWS の製品とサービスを使用する主な利点を確認する
  • AWS クラウドのサービスとオンプレミスのインフラストラクチャを比較し、対比する
  • Amazon S3 を使用して静的ウェブページをホストする方法を説明する
生成 AI を使い始める AnyCompany Software は、生成AIのためのプロンプトエンジニアリング技術をスタッフに学ばせたいと考えています。ソフトウェア開発の速度と品質を向上させることで、同社は競争の激しい技術市場で優位性を保ち、クライアントに優れた製品を提供することを目指しています。
  • Amazon SageMaker JumpStart を使用して LLM モデルをデプロイする方法を説明する
  • Jupyter ノートブックで Amazon SageMaker Python SDK を使用してモデルをデプロイする方法を示す
  • プロンプトエンジニアリング技術を使用してモデルの応答を改善する方法を説明する
AI スマートアシスタントを作成する 人事部門は、毎日 500 件を超える従業員からの情報要求に対応するのに苦労しています。要求の大部分は、ポリシー、福利厚生、手続きに関するものです。また、現在、要求は営業時間内にのみ処理でき、同時に返信できる数も限られています。これには即座対応が必要です。
  • Amazon Bedrock を使用して自動化された顧客サービスソリューションを作成する方法を決定する
  • Amazon Bedrock エージェントをナレッジベースで設定する方法を決定する
  • Amazon Bedrock エージェントにアクショングループを追加する方法を示す
Amazon Q でコードを構築し理解する 子供向け教育出版社は、キャラクター名、テーマ、設定などのユーザー入力に基づいてパーソナライズされた短編ストーリーを生成する自動ストーリー生成システムを作成したいと考えています。
  • Amazon Bedrock FM を使用してテキストコンテンツを生成する方法を有効化し、使用する方法を示す
  • AWS Lambda 関数を他の AWS サービスと統合して設定およびテストする方法を決定する
  • Amazon Q を使用してコード提案を生成し実装する方法を決定する
  • AWS サービスを使用するサーバーレス AI 駆動のストーリー生成ワークフローの主要コンポーネントを特定する
Amazon Bedrock プレイグラウンドを探索する AnyCompany のビジネスチームは、顧客サービスのチャットベースの AI エクスペリエンスに最適な AI モデルを見つける任務を負っていますが、明確な評価方法が欠けています。彼らは、顧客との会話中にテキストと画像の両方をサポートする異なるモデルを徹底的に比較したいと考えています。
  • Amazon Bedrock プレイグラウンドを使用して AI モデルの評価方法を決定する
  • 安全で管理された環境で異なる基盤モデルをテストし比較する方法を決定する
  • モデルパラメータの調整と最適化の実践経験を積む
  • さまざまな AI モデルからの出力を評価し比較する方法を示す
ガードレールによる安全な対話型 AI AnyCompany の人事部門は、従業員の質問に答えるのに役立つチャットベースの AI アシスタントを選択したいと考えています。会社は、機密の人事問題を避け、従業員データのプライバシーを保護し、一貫した福利厚生とポリシーの回答を提供するなど、AI アシスタントが専門的でポリシーに準拠した回答のみを提供することを懸念しています。
  • Amazon Bedrock Guardrails 機能を説明する
  • ガイドレールの設定とカスタマイズ方法を示す
  • ガードレールをテストして、セーフガードポリシーを検証する方法を示す
エンタープライズナレッジアシスタントを作成する 営業部門は過去および現在の販売データへの迅速なアクセスが不足しており、類似の販売問い合わせに対して様々な解釈や回答が生じています。これにより、営業担当者が上級管理職に注力すべき販売製品や人気が高まっている製品を報告するまでの解決時間が長くなっています。
  • Amazon Bedrock の主な機能と特徴を説明する
  • Amazon Bedrock ナレッジベースの作成と設定方法を決定する
  • テキスト対テキストモデルとテキスト対ベクトルモデルを比較する
  • 検索拡張生成 (RAG) の概念を説明する
Amazon SageMaker で AI サービスを利用する グローバルコンサルティング企業は、現在手動プロセスで年間 150 万ドルのコストがかかり、15 パーセントのエラー率を示し、20 人以上のフルタイム従業員が1ドキュメントあたり最大 48 時間かかる 10,000 件以上の多言語クライアントコミュニケーションとドキュメントを毎日処理しています。同社は、運用コストを削減し、精度を向上させ、処理時間を短縮しつつ、グローバルなクライアントサービス提供を強化する包括的な自動化ソリューションを望んでいます。
  • Amazon SageMaker AI ノートブックインスタンスをドキュメント処理ワークフロー用にセットアップおよび使用する方法を説明する
  • Boto3 SDK を使用して複数の AWS AI サービスを統合する方法を決定する
  • AWS AI サービスを使用して、テキスト抽出、感情分析、言語翻訳、音声サービスの使用方法を示す
  • AWS サービスの統合とデータ処理のためのノートブックセルを順次実行する方法を示す
ウェブページのコードを生成する マーケティング部門は、特に外部クライアントとコンテンツを共有するための Amazon EC2 上のウェブサーバーの管理において、ウェブホスティングのニーズに課題を抱えています。チームは、現在過剰な時間とリソースを消費しているウェブコンテンツとコードの更新を効率化するソリューションを求めています。彼らは、生成 AI の機能を活用し、AWS の専門知識が最小限の従業員でもウェブコンテンツの更新を効果的に管理できる、ユーザーフレンドリーなアプローチを実装したいと考えています。
  • Amazon Bedrock のチャット/テキストプレイグラウンドの使用方法を説明する
  • チャットモードとシングルプロンプトモードの違いを特定する Amazon Bedrock を使用してアプリケーションを構築する方法を決定する
  • Amazon EC2 で実行中のアプリケーションを更新する方法を示す

また、SimuLearn では生成 AI 以外にも、無料でクラウドの基礎をハンズオンで学習することができるコースも合計 12 コース提供しております。是非 AWS Skill Builder にアクセスしてコースを検索してみてください。なお、コース検索の際は Skill Builder トップページ上部の検索窓に何もいれずに Enter キーを押すと「フィルタ」の画面に遷移しますので、そこから「学習スタイル」を「没入型ソリューション構築」、「料金」を「無料」にして検索していただくと、無料の SimuLeran コースが検索しやすくなります。

AWS Skill Builder のトップ画面にある「トレーニングカタログを検索」と書かれた検索窓にカーソルを合わせ、何も入れずに検索

フィルタの画面に遷移します。「没入型ソリューション構築」「無料」のフィルタを設定いただくと SimuLearn の無料コースが表示されます。

SimuLearn 学習の流れ 1 : モード選択

ここからは SimuLearn を使用した際の学習の流れについて簡単にご紹介します。

学習開始時には、まずモードの選択を行います。モードは「スクリプトモード」と「自由会話モード」の 2 つから選択できます。「スクリプトモード」では AI との対話はなく、学習者はあらかじめ用意された会話のシナリオに沿って学習目標を確認し、課題に進みます。「自由会話モード」では、対話形式の画面を通じて、生成 AI 搭載の仮想顧客とビジネス課題の解決に向け、学習者自ら内容を考えて会話を行います。学習者は最適なソリューションを構築するため、適切な AWS サービスを提案します。このモードでは、生成 AI が学習者の回答に基づいて、コミュニケーション能力、問題解決力、お客様志向、意思決定能力、技術的な知識戦略的思考を評価します。「自由会話モード」は現在英語のみ対応となっています。どちらを選択しても、会話後のハンズオンパートには影響を及ぼすことはありません。

画像はモード選択画面です。どちらのモードを選択しても後のフェーズの構築で行う内容は変わりません。

現在「スクリプトモード」は日本語で確認いただくことが可能です。こちらは予め用意された会話のやり取りを確認することによって、顧客のニーズと、それに対する回答を読み取り、次のフェーズに進んでいく流れとなります。

スクリプトモードでは「あらかじめ決められた会話内容」より、顧客からのニーズを確認します。

顧客役の生成 AI と適切に会話を行うことにより、学習者のスキルが評価されます。現在は英語のみの対応となります。英語に自信がある方は是非自由会話モードで学習をしてみてください。英語を使うお客様とのやり取りを想定して、翻訳ツールを使用しながらチャレンジしていただくのも面白いかもしれません。

自由会話モード画面です。顧客との会話により満足度を高め、アーキテクチャ図を完成させましょう。

なお、SimuLearn が日本語が表示されない場合は「画面右上にある三本線メニュー」より、言語 (Language) で「Japanese」を選択してください。

画面右上の言語切り替えメニューより言語の変更が可能です。

SimuLearn 学習の流れ 2 : 学習 ~ 実践 ~ DIY のハンズオンパート

お客様との会話が終了した後、次のフェーズに進みます。課題は「学習」「実践」「DIY」の 3 つのパートに分かれています。

課題は上記の 3 フェーズで進行します。

まず、学習パートで「この課題の中ではどのようなソリューションが求められているか ?」「どのように構築するのか ?」を理解します。このパートでは概要を説明する動画を確認することも可能です。動画の音声は英語のみサポートされており、日本語は字幕で表示することが可能です。

学習パート内で求められるソリューションやサービスについての学習を行います。

次の実践パートでは、学習セクションで得た知識を実際の AWS 環境で実践できます。ステップバイステップの詳細な解説とスクリーンショットが用意されており、SimuLearn 専用の AWS アカウントを使用することにより、料金発生や環境の削除忘れ、設定ミスなどの心配をすることなく、安心して学習に集中できます。この理論と実践を組み合わせた学習アプローチにより、AWS サービスへの理解を深めながら、実務で活かせる実践的なスキルを効率よく身につけることができます。

実践パートで「実際の AWS アカウント」を使用しながら、ハンズオンでの学習を行います。

「学習パート」及び「実践パート」で学習した事が身についているかを確認するため、DIY パートでは「詳細な手順やスクリーンショットなしで、要件にそった環境が構築できるかどうかの検証」を行います。DIY の目標で示されたソリューションを構築後「検証」ボタンを押し、検証が成功すれば無事に課題は終了となります。

要件に沿った環境を構築した後、検証フォーム内に求められた内容を入力し、検証を行います。

見事検証が成功すると、クリア画面が表示されます!

AWS SimuLearn で生成 AI、クラウドの学習を加速させましょう!

以上のように、AWS SimuLearn では「生成 AI の基礎」や「クラウドの基礎」を無料で学習可能です。最大の魅力は「実際の AWS アカウントを使用したハンズオン形式の学習が、料金の心配なく行える点」にあります。「AWS アカウントの作成は不安」「予期せぬ料金が発生するのでは」と迷っていた方にとって、SimuLearn は理想的な入門環境となるのではないでしょうか。また、SimuLearn には今回ご紹介した無料コンテンツ以外にも数多くの課題が用意されています。「生成 AI の基礎」が学習可能な 8 コースや「クラウドの基礎」が学習できる 12 コース」で基本を学んだ後、さらに知識を深めたい方は AWS Skill Builder のサブスクリプションへの登録をご検討ください。サブスクリプションに登録することで、より専門的で幅広い課題にチャレンジできるようになり、クラウドスキルを次のレベルへと引き上げることができます。サブスクリプションに関する詳細はこちらのページをご確認ください。

また、AWS Skill Builder では、SimuLearn 以外にも様々な学習リソースが提供されています。ゲーム感覚で AWS が学べる「AWS Cloud Quest」、実践的なラボ環境に特化した「Builders Lab」、そして多数の無料学習コースなど、学習スタイルや目的に合わせて選べるコンテンツが豊富に揃っています。現在、クラウド技術の習得は多くの業界で求められるスキルとなってきています。AWS Skill Builder を活用して、自分のペースでスキルアップを図り、キャリアの可能性を広げましょう。