はじめに
AWS テクニカルアカウントマネージャーの渡辺です。
この記事は、サーバーレスの導入が今後の検討課題となっている開発者の皆様や企業の皆様向けに、サーバーレスの入門としてお役立ていただけるよう書かれています。
システムの構築や運用に従事している方は、OS のアップデートやセキュリティパッチの適用、リソースの拡張などの作業に頭を悩ませることがよくあるのではないでしょうか。
今回は、サーバーレスの多くのメリットの中でも、特に運用作業の負担軽減に焦点を当てます。具体的には、OS のバージョンアップやセキュリティパッチの適用、メンテナンス作業などの管理工数がサーバーレスでは大幅に削減できることを解説します。これらの作業からの解放によって得られる効率化の実態を知ることで、サーバーレスの魅力を感じていただけるはずです。
なお、アーキテクチャやサービスの選定には一概に優劣をつけられるものではありません。ビジネス要件やワークロードの特性など様々な要因を考慮する必要があり、場合によってはサーバーレスではなく従来の構成を採用することが適切な選択肢となる可能性もあります。そうした前提のもと、この記事ではサーバーレスの運用工数削減効果に焦点を当てて、その特長をご紹介します。
サーバーレスなら手間を軽減してくれる
突然ですが、ずっと前にドラムをやっていましたが、最近できておらず、電子ドラムを買いたいと前から思っています。しかし家にスペースが無いのが問題です。ですが、とりあえず買ってしまって、本当に場所が足りなくなってきたら売れば良いかなとも思い、そろそろ近いうちに買ってしまおうかと虎視眈眈と狙っています。
理想を言えば、使いたい時にだけ電子ドラムが家に現れて、シンバルやタムの数も自由に増減できて、使わない時は家からなくなって、さらに演奏のタム回し中にドラムのスティックが折れたりしたら直してくれて、常に最新モデルが使え、演奏に注力できたら良いのに・・・
電子ドラムでそんな都合の良いことはできませんが、モダンなアプリケーション開発の場合なら、似たようなことを AWS で実現できます。
そう、“サーバーレス” なら。
サーバーレスを活用すれば、必要な時だけリソースを確保して利用でき、使わない時はリソースを解放することができます。また、常に最新の環境が利用可能になり、メンテナンスの手間も軽減されます。
それでは、サーバーレスについてさらに知っていきましょう。
サーバーレスの特徴
サーバーレスは図のように、お客様が管理する必要のある部分が少ないのが特徴です。

従来システムとサーバーレス構成の比較
こちらの図は、従来のシステム構成 (上段) と、サーバーレスを用いた場合の構成 (下段) の比較です。
サーバーレスにおいては、従来のシステム構成と比較すると、スケーリングや可用性など、考慮すべき点が少なくなります。
また、それらは日々進化しています。例えば次のアップデートでは、AWS Lambda 関数がより速くスケールするようになる 等、サーバーレスの利便性は日に日に高まっています。
開発者がインフラ担当者と調整して環境を入手するリードタイムが不要になるという点もメリットです。

サーバーレスで運用がどれぐらいラクになるのか
この記事では、コンピューティングサービスとして Amazon EC2 と AWS Lambda、データベースサービスとして Amazon RDS と Amazon DynamoDB を比較の一例として、運用時のバージョンアップなどの対応の有無に焦点を当てて比較します。
サーバーレスでは運用がどれぐらいラクになるのかを、具体的に見ていきましょう。
コンピューティングサービス:Amazon EC2 と AWS Lambda の比較
データベースサービス:Amazon RDS と Amazon Dynamo DB の比較
まとめ
サーバーレスでは、IT運用に携わる皆様が心理的にも負担を感じていた、サーバーの起動・停止や切り替え、死活監視、OSやミドルウェアの更新、セキュリティパッチの適用など、さまざまな運用タスクから解放されます。これによりビジネスロジックの開発に注力できるのがサーバーレスの大きな魅力です。
最後に、「サーバーレスに関する情報はあちこちにあるけれどどこから始めたら良いかわからない」、そんな開発者のための「 今から始めるサーバーレス」情報をご紹介させていただきます。その中でも「 サーバーレスの始め⽅」は、これからの人向けの典型的ステップとして、参考にすると良い技術資料や次のステップとなるハンズオンを、おすすめの順番で紹介していますので是非ご覧ください。
この記事を機に、より多くの方がサーバーレスの利用を検討してくださることを願っております。
筆者プロフィール
渡辺 紘久
アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社
エンタープライズサポート テクニカルアカウントマネージャー
テクニカルアカウントマネージャー (TAM: タム) としてエンタープライズのお客様の AWS 活用支援を担当しています。
記事の冒頭で述べた電子ドラムをいつか購入して、"タム" 回しの上手い "TAM" を目指したいと考えています。
最近は、お風呂やエアコンのカビ対策について試行錯誤しています。こちらも個人的にはサーバーレスと同じぐらい気になるので、良い方法をご存知の方は是非ディスカッションしましょう。

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