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5分で AI エージェントをデプロイ・ホスティングする – Amazon Bedrock AgentCore Runtime
この記事は、「AI エージェントはローカルで動かせるけれど、どうやってデプロイ・ホスティングすればいいかわからないエンジニアの方」や、「AgentCore Runtime がどんなサービスなのかサクッと知りたいエンジニアの方」におすすめです。
目次
一言説明
Amazon Bedrock AgentCoreとは?
Amazon Bedrock AgentCore とは、あらゆるフレームワーク・モデルで構築したエージェントを、信頼性高く安全で大規模にデプロイ・運用するためのサービス群 (2025/08/06時点では Preview)
- AgentCore Runtime
- AgentCore Identity
- AgentCore Gateway
- AgentCore Memory
- AgentCore Browser
- AgentCore Code Interpreter
- AgentCore Observability
Amazon Bedrock AgentCore Runtime とは?
AI エージェントを本番環境向けにデプロイ・ホスティングするサービス
ユースケース- どんな時に使うべき?
開発した AI エージェントをプロダクトとしてデプロイしたい時
- Strands Agents SDK で作成した AI エージェント
- LangGraph や Google ADK, OpenAI Agents SDK など、その他フレームワークで作成した AI エージェント
独自開発した MCP サーバーを公開したい時
- FastMCP で作成した MCP サーバー
- その他フレームワークで作成した MCP サーバー
デモ – とりあえず動かしてみる
AgentCore Runtime をとりあえず動かしてみるための、最も簡単な方法を紹介します。
前提条件:
- Python 3.10+
- AWS の認証情報の設定
- Claude Sonnet 4 の基盤モデルアクセスを有効化
まず、依存パッケージをインストールします。
$ pip3 install strands-agents bedrock-agentcore bedrock-agentcore-starter-toolkit
エージェントのコードを用意します。ここでは、Strands Agents SDK を使用した最低限のエージェントを用意します。
my_agent.py
from bedrock_agentcore.runtime import BedrockAgentCoreApp
from strands import Agent
app = BedrockAgentCoreApp()
agent = Agent()
@app.entrypoint
def invoke(payload):
user_message = payload.get("prompt")
result = agent(user_message)
return {"result": result.message}
if __name__ == "__main__":
app.run()
エージェントに必要な依存パッケージを requirements.txt ファイルに記載しておきます。
requirements.txt
strands-agents bedrock-agentcore
デプロイするための設定コマンドを実行します。
$ agentcore configure -e my_agent.py
以下のようにいくつか質問が出てきますが、今回は全て Enter を押します。
実際にデプロイします。
$ agentcore launch
これでデプロイが完了しました。マネジメントコンソールの AgentCore Runtime の画面に今作成したランタイムが表示されます。
これを呼び出すには以下のコマンドを使用します。エージェントからレスポンスが返ってくるはずです。
$ agentcore invoke '{"prompt": "何か面白いこと言って。"}'
boto3 等の AWS SDK を利用してエージェントを呼び出すことも可能です。
特徴 – どこが便利なの?
5分でデプロイ可能
エージェントの記述に Python を使用すれば、Bedrock AgentCore Starter Toolkit を使用して、コマンド2つでデプロイが可能です。コマンドひとつで推論も可能です。
$ agentcore configure --entrypoint my_agent.py # 設定 $ agentcore launch # デプロイ $ agentcore invoke '{"prompt": "明日の東京の天気を教えて。"}'
直感的なセッション保持
エージェントの利用側が独立した Session ID を指定してエージェントを呼び出せば、環境が分離されます。前回呼び出しと同一の Session ID を使用してエージェントを呼び出せば、前回呼び出し時の情報を利用できます。
invoke_response = agentcore_runtime.invoke({
"prompt": "さっきの話、もう少し詳しく説明して。",
"user_id": "123"
}, session_id="session_id")
コードの書き換えは最低限
Strands Agents SDK のみならず、LangGraph, Google ADK, OpenAI Agents SDK … など、任意のフレームワークで記述されたエージェントをデプロイ可能です。基盤モデルも Amazon Bedrock には縛られないので、どのプロバイダーの基盤モデルを使用していても大丈夫です。Python を使用していれば、Bedrock AgentCore SDK を使用して、デコレーターにより簡単にエンドポイントを定義できます。
@app.entrypoint
def invoke_agent(request):
return my_agent(request.get("prompt"))
料金 – 月額どれくらい?
AgentCore Runtime は、実際に使用した分だけ課金されます。事前に CPU のコア数やメモリを見積もっておく必要はありません。また、LLM の出力を待機する時間など、I/O 待ちの時間には CPU リソースに課金されないことも特徴です。 (※ 2025/09/16 までは無料で使用できます。)
独自ツールを備えたシンプルな社内用エージェントの例
- 月間 1万リクエスト
- 1呼び出しの処理時間が平均15秒
- 30%の時間が I/O 待ち
- 1vCPU / 1GB 消費
月額 450円 くらい
じっくり考えるカスタマーサポートエージェントの例
- 月間 10万リクエスト
- 1呼び出しの処理時間が平均60秒
- 70%の時間が I/O 待ち
- 1vCPU / 2GB 消費
月額 11,000円 くらい
※ 1ドル150円で計算
終わりに
本記事では、AI エージェントをどうやってデプロイ/ホスティングすればいいかわからないエンジニアの方や、Amazon Bedrock AgentCore Runtime についてサクッと知りたいエンジニアの方に向けて、AgentCore Runtime のユースケース、デモ、特徴、料金について簡単に解説しました。
Amazon Bedrock AgentCore Runtime の本番導入について相談したい方はこちらからお問い合わせください。
著者情報
冨山 英佑(Eisuke Tomiyama)
AWS Japanのスタートアップソリューションアーキテクトとして、幅広いスタートアップのお客様への技術支援を担当しています。