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週刊生成AI with AWS – 2025/5/26 週

みなさん、こんにちは。AWS ソリューションアーキテクトの野間です。6月になりました。6月と言えば!AWS Summit です!6月25日と26日に AWS Summit Japan が開催されます。今回のブログ内でも紹介していますが、AWS Summitでの展示内容の情報が出始めています。AWS メンバーが頑張ってデモアプリなどを開発していますので楽しみにしてください。また、イベントの 事前登録 もお忘れなく! また、先日 Anthropic社 から待望の Claude 4 がリリースされ Bedrock でも利用可能となりました。今回は「Claude Opus 4」と「Claude Sonnet 4」という2つのモデルが登場し、特にコーディングや複雑な推論タスクで革新的な性能を見せています。生成AIの進化が加速する中で、それぞれのモデルの特徴を理解して使い分けることがますます重要になってきていると感じます。実際、Anthropic社 も Claude 4 のベストプラクティスガイドを既に公開しており、効果的な活用方法についての情報提供を積極的に行っていますので是非参照してみてください。
では今週も生成 AI with AWS界隈のニュースを見ていきましょう!

さまざまなニュース

  • AWS生成AI国内事例ブログ「NTT データの AWS ジャパン生成 AI 実用化推進プログラム成果報告 : AI Agent によるクリエイティブ業務支援ソリューション開発」
    株式会社 NTT データは、2024 年度の AWS ジャパン生成 AI 実用化推進プログラムに参画し、AI Agent によるクリエイティブ業務支援ソリューションを開発されました。このソリューションは、Web検索、デザイン案生成、画像生成の3つのエージェントを、Supervisor Agent が統括する形で構成されており、LangGraph フレームワークを用いて実装されています。Amazon Bedrock のClaude 3.7 Sonnet 他複数のAIモデルを組み合わせることで、多様な表現力を実現しています。実際のデザイン関連企業との協業を通じて、調査業務で75%の効率化を達成し、デザイン案の生成においてもアイデア創出の支援に成功しています。またAWSのマネージドサービスを活用することで、約2ヶ月という短期間でソリューションを構築することができました。ブログでは、開発の背景となるビジネス的課題から、具体的なソリューションのアーキテクチャ、そして実際の導入による効果を包括的に紹介しています。
  • AWS生成AI国内事例ブログ「三菱重工グループが挑戦する企業変革 ~生成AI戦略から価値創出までの実践記録〜」
    このブログでは、三菱重工業株式会社(MHI)と三菱重工業機械システム株式会社(MHI-MS)が生成AIの全社活用に向けた取り組みを紹介しています。まず、デジタルイノベーション本部主導でAI Center of Excellence(AI-CoE)の体制を確立し、AWS の CAF-AI フレームワークを活用した戦略を策定し、次に、生成AIデザインワークショップを通じて具体的なユースケースを特定し、経営層から実務者層まで一体となって事業価値の創出方法を検討しました。そして、「Experience Based Acceleration(EBA)」という手法でプロトタイピングを実施し、わずか3日間で高水準のプロトタイプを完成させ、事業価値の実現可能性を確認しました。この取り組みは、デジタル部門と事業部門の連携、スキル開発、そして挑戦する文化の醸成という複数の成果をもたらしています。エンタープライズ企業における生成 AI 活用のアプローチとして参考になるのではないでしょうか。
  • ブログ記事「AWS Summit Japan 2025 製造業ハイライト展示の見どころ紹介!」を公開
    2025年6月25日と26日に AWS Summit Japan が開催されます。このブログでは製造業向け展示ブースと製造業に関するセッションの情報をご紹介しています。特に生成AIの実践的な活用例の展示が予定されています。スマート生産エリアでは産業用ロボットのトラブルシューティングを生成AIアシスタントが支援し、サプライチェーンエリアではAI/ML/GenAIを活用した最適化ソリューションを展示します。特に注目すべきは、スマートプロダクト&サービスエリアで紹介される複数のAIエージェントによるリアルタイムサポートと、エージェンティックコーディングによる開発プロセスの革新です。さらに、データエリアではAmazon Q in QuickSightによる自然言語でのデータ分析や、グラフDBと生成AIを組み合わせた業務横断的な分析機能が紹介され、製造業における生成AI活用の包括的なソリューションを体験できます。是非ブログの内容を参照いただき、イベント参加の際の参考にしてみてください。
  • ブログ記事「Amazon Connect, Amazon Lex, Amazon Bedrock Knowledge Bases を活用してコンタクトセンターに音声とチャットの生成 AI エージェントをデプロイする」
    このブログでは、コンタクトセンター向け生成 AI エージェントソリューションを紹介しています。DoorDash は Amazon Connect、Amazon Lex、Amazon Bedrock Knowledge Bases を活用し、わずか 2 か月で音声・チャット対応の AI エージェントを構築、配達員からの問い合わせに対して2.5 秒以内の応答速度を実現し、日々数十万件の電話対応を処理しています。システムはサーバーレスアーキテクチャを採用しており、運用負荷を最小限に抑えながら、ハルシネーション検出や会話分析などの高度な機能も提供します。実装手順からカスタマイズ方法まで、オープンソースで提供される実践的なソリューションの詳細をご覧ください。

サービスアップデート

  • Amazon Neptune MCP サーバーの発表
    グラフデータベースの Amazon Neptune の MCP サーバーが発表されました。openCypher や Gremlin クエリ、スキーマ探索、自然言語によるクエリが可能になり、複雑なコードを書くことなく、Amazon Q CLI や Cursor、Claude Code などのツールと連携できます。特に注目すべき点は、自然言語で質問を投げかけることで、グラフデータベースからの応答が得られる機能です。これにより、ナレッジグラフの構築や関係性の分析、AIアシスタントの機能強化など、より直感的かつ効率的なグラフデータの活用が可能になります。
  • AWS Serverless と Containers 向けの MCP サーバーの発表
    Lambda、ECS、EKS、Finch 向けの MCP サーバーを発表しました。この新機能により、AIコードアシスタントが AWS のサーバーレスやコンテナサービスのベストプラクティスを理解し、より実用的なコード生成が可能になります。開発者は自然言語で要件を記述するだけで、AIアシスタントがサービスの設定やインフラのセットアップ、サービス間の連携を適切に処理できるようになります。さらに、ロギング、モニタリング、セキュリティ制御、トラブルシューティングなどの運用面でもAIによるサポートが受けられ、より効率的なアプリケーション開発が実現できます。

AWS MCP のアップデートはこちらに集約されておりますのでチェックしてみてください。

今週は以上です。それでは、また来週お会いしましょう!

著者について

Aiichiro Noma

野間 愛一郎(Aiichiro Noma)

AWS Japan のソリューションアーキテクトとして、製造業のお客様を中心に日々クラウド活用の技術支援を行なっています。データベースやデータ分析など、データを扱う領域が好きです。最近は自宅での焼き鳥で串打ちにハマっています。