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週刊生成AI with AWS – 2025/4/28週

みなさん、こんにちは。AWS ソリューションアーキテクトの木村です。
最近、SNS で流行っていた生成 AI による手相占いをやって自己肯定感を上げています。

さて、今週・来週は、生成 AI のイベントが盛りだくさんです。

5月開催の AWS 生成 AI イベントガイド」というブログで開催予定のイベントをまとめていますのでぜひご覧ください!

また、6 月 25 日 (水)、26 日 (木) に開催される AWS Summit Japan 2025 の事前登録ができるようになっています。今年も多くの生成 AI セッションを用意しています。登録をお忘れなく!

AWS ジャパン生成 AI 実用化推進プログラム」も引き続き募集中ですのでよろしくお願いします。

それでは、4 月 28 日週の生成 AI with AWS界隈のニュースを見ていきましょう。

さまざまなニュース

サービスアップデート

サービスアップデート – 生成AIを組み込んだ構築済みアプリケーション

    • Amazon Q Developer CLI が Model Context Protocol (MCP)をサポート開始
      Amazon Q Developer CLI で Model Context Protocol (MCP) のサポートを開始しました。MCP とは、LLM が外部ツールや API などにアクセスする方法を標準化したオープンプロトコルです。今回のサポートにより、外部情報を参照した応答を開発者は得ることができるようになります。上記のブログをぜひ参照ください。
    • Amazon Q Developer in chat applications が AWS Systems Manager のノードアクセス承認をサポート
      先日 AWS Systems Manager にて、ノード (EC2 インスタンス) へのログイン権限を一時的に付与するジャストインタイムノードアクセス機能が発表されました。従来はマネジメントコンソールを通じてログインの承認を行う必要がありましたが、今回の Amazon Q Developer in chat のサポートにより、ノードアクセスの承認作業を Microsoft Teams と Slack 経由で行えるようになりました。
    • Amazon Q Developerが、IDE内の新しいエージェント型コーディング体験を発表
      エージェント型コーディングとは、ユーザーが与えた自然言語の指示を AI エージェントが理解し自ら解決策を考えコード生成やファイル修正などを行う技術です。この機能は、すでに Amazon Q Developer CLI で利用可能でしたが、今回 IDE で利用可能となりました。本機能は Claude Sonnet 3.7 モデルが搭載されており、日本語含む多言語を対応しています。IDE は現在 Visual Studio Code に対応しており JetBrains と Eclipse のサポートも間もなく開始される予定です。
    • Amazon Q Business が匿名ユーザーアクセスをサポート
      Amazon Q Business の匿名ユーザーアクセスの一般提供を開始しました。この機能により、お客様は公開されているコンテンツを使用して、匿名ユーザー向けの Q Business アプリケーションを作成できるようになります。例えばウェブサイトの Q&A ページで本機能を提供することで、訪問者のサポート体験を向上させることが可能です。この匿名モードで作成された Q Business アプリケーションは、API 消費量に基づいて課金されます。本機能は、米国東部(バージニア北部)、米国西部(オレゴン)、ヨーロッパ(アイルランド)、およびアジアパシフィック(シドニー)リージョンで利用可能です。

サービスアップデート – アプリケーション開発のためのツール

    • WriterのPalmyra X5およびX4モデルがAmazon Bedrockで利用可能に
      上記のブログ紹介で触れたように、Writer の Palmyra X5 および X4 モデルが Amazon Bedrock で利用可能になりました。大きなコンテキストウィンドウをサポートするのに加え、高度な推論、マルチステップのツール呼び出し、RAG(検索拡張生成)などの複雑なタスクに優れています。日本語での動作が確認できており対応言語ごとのベンチマークも公開されています。現在は米国西部 (オレゴン) からクロスリージョン推論で呼び出すことが可能です。
    • Meta の Llama 4 が Amazon Bedrock で完全マネージド型として利用可能に
      こちらもブログ紹介で触れたように、Llama 4 Scout 17B と Llama 4 Maverick 17B が Amazon Bedrock で利用可能になりました。Llama 4 Scout 17B は、最大1,000万トークンのコンテキストウィンドウをサポートし、包括的な分析や推論を必要とするアプリケーションに対応可能です。Llama 4 Maverick 17B は画像とテキストの理解に優れた汎用モデルとなっています。本機能は、米国東部(バージニア北部)および米国西部(オレゴン)リージョンの Amazon Bedrock で利用可能です。また、クロスリージョン推論を通じて米国東部(オハイオ)からもアクセス可能です。
    • Amazon Bedrock Model Distillation (モデル蒸留) が一般提供開始
      モデル蒸留とは、高性能なモデル(教師)から小規模なモデル(生徒)に知識を転送することで、特定のユースケースにおいて高精度でありながら処理速度が速くコスト効率の高いモデルの構築を目指す技術を指します。もともとプレビューでしたが今回一般提供開始となりました。一般提供開始に伴って対応モデルが拡大し、Amazon Nova Premier(教師)、Nova Pro(生徒)、Claude 3.5 Sonnet v2(教師)、Llama 3.3 70B(教師)、Llama 3.2 1B/3B(生徒)が追加されています。詳細はドキュメントブログを確認ください。
    • 複雑なタスクに対応する最高性能とモデル蒸留機能を持つ Amazon Nova Premier の一般提供を開始
      最高性能のマルチモーダル基盤モデル「Amazon Nova Premier」の一般提供を発表しました。Nova Premier は、これまでに発表されている Nova ファミリーモデルの中で最も高性能で、優れたインテリジェンス、高いエージェント性能、100 万トークンのコンテキストウィンドウを提供します。また、Amazon Bedrock Model Distillation (モデル蒸留) を使用することで、特定のニーズに合わせた高性能・高費用対効果・低レイテンシーの Nova Pro、Lite、Micro バージョンを作成可能です。現在、クロスリージョン推論を通じて、米国東部(バージニア北部)、米国東部(オハイオ)、米国西部(オレゴン)リージョンの Amazon Bedrock で利用可能です。ブログユーザーガイドもぜひご覧ください。

著者について

Naoto Kimura

木村 直登(Naoto Kimura)

AWS Japan のソリューションアーキテクトとして、製造業のお客様に対しクラウド活用の技術支援を行なっています。最近は生成 AI と毎日戯れており、特にコード生成と LLM エージェントに注目しています。好きなうどんは’かけ’です。