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アイデミー様のSaaS on AWS事例:素材業界の研究開発部門向け材料開発のためのデータ蓄積プラットフォーム「Lab Bank 」 をAWS上でマルチテナント化。マネージドサービスを活用し少人数且つ短期間でセキュアな環境を構築。
本ブログは株式会社アイデミー様と Amazon Web Services Japan 合同会社が共同で執筆いたしました。
みなさん、こんにちは。AWS アカウントマネージャーの藤川です 。
昨今、従来の事業や顧客の課題に関連して、新しくSaaSを開発する企業が増加してきております。SaaS事業を始める為には、市況の変化に応じる為にスピーディー且つ効率良く開発する必要があります。
本記事では、AWSのマネージドサービスを活用し、少人数且つ短期間でマルチテナント型SaaS環境を構築した事例について紹介いたします。
①お客様の状況と検証に至る経緯
- アイデミー様は、AI/DXの人材育成から実運用まで、企業変革の基盤となるDX推進を一気通貫で支援する企業です。
- 今回ご紹介する「Lab Bank」は、Aidemy Solutions(*)が展開するSaaSのひとつです。
- 研究開発部門のDXを支援する中で、研究データが分散管理されて知見が活用されにくいことや、レポート作成などの付随業務が研究者の負担となっていること、更に過去データの活用不足による実験の非効率性とコスト増大といった課題を発見しました。
- *)Aidemy Solutionsは、スモールスタートと社内のAIキーパーソン育成を軸に、企業の現場で活用されるAIの開発・実装を支援する法人向けDX支援サービスです。
- これらのデータ基盤を整備し迅速な知見共有を実現するSaaSを開発する必要がありました。
- しかし、機密性の高い研究データを扱う為、セキュアな環境を構築する必要性や少人数の自社開発体制におけるリソース制約の問題も抱えていました。
②ソリューション
- 研究開発組織が研究にフォーカスする為のデータ活用プラットフォームSaaS をAWS上で構築しました。
- 研究データを外部DBに保管できない顧客向け環境はこちら
- Amazon Elastic Container Service (Amazon ECS)とApplication Load Balancerを組み合わせてマルチテナント環境を一元管理。
- Amazon Aurora for PostgreSQLのRow Level Securityを活用してテナント分離を実装しました。
- さらにAWS WAFによるテナント単位のアクセス制限を設定することで、セキュアな運用を実現しています。
③導入効果
- マルチテナント化、サーバーレス構成、マネージドサービスの活用により、コストと運用面での導入障壁を低減しています。
- マネージドサービスを活用したことで、少人数の2名の開発チームでも3週間という短期間でインフラ環境を構築することに成功しています。
- さらに、機密性の高い研究データを安全に共有できるセキュアな基盤を構築出来ました。
アイデミーの石橋和也氏は「AWSのセキュリティベストプラクティスやサーバーレス/マネージドサービスを活用したことで、少人数の開発チームでも短期間でセキュアな環境を構築することができました」と述べています。
④今後の展望
これまでの知見を活かし、研究開発(R&D)以外(調達、製造、品質管理、規制対応、顧客対応等)のデータに対しても、 生成AI・機械学習を活用し連携することで、意思決定・実験効率および品質向上を推進していきます。
- 株式会社アイデミー : 土屋 大地様 (左から 2 番目) 、諸山 将梧様(中央)、石橋 和也様(右から2番目)
Amazon Web Services Japan : アカウントマネージャー 藤川 高志朗(左端)、ソリューションアーキテクト 呉 敏禎(右端)