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AWS Weekly Roundup: Strands Agents、AWS Transform、Amazon Bedrock ガードレール、AWS CodeBuild など (2025 年 5 月 19 日)
この時期は、たくさんのイベントが開催されます! 5 月 12 日週、私はイタリアで開催された AI Week に参加しました。5 月 19 日週は、AWS Community Day – Switzerland のためにチューリッヒに行く予定です。5 月 22 日には、コンピューティング、AI/ML、ストレージ、ネットワーク、サーバーレステクノロジー、グローバルインフラストラクチャの全体における最先端の進歩について学ぶ AWS Cloud Infrastructure Day にリモートでご参加いただけます。知識を共有し、他の参加者から学ぶ機会を得ることができる、お近くのイベントを検索してください。
私が 5 月 12 日週の金曜日に特に関心を持ったのは、わずか数行のコードで AI エージェントを構築して実行するために使用できるオープンソース SDK、Strands Agents の発表です。Strands Agents は、ローカルでの開発や本番環境へのデプロイを含めた、単純なものから複雑なものにおよぶさまざまなユースケースにスケールできます。デフォルトで、モデルプロバイダーには Amazon Bedrock が使用されますが、モデルをローカルで実行するための Ollama や、Mistral などの他のプロバイダーに統合インターフェイスを提供するための LiteLLM の他、Anthropic、Llama API などのその他多くのモデルプロバイダーもサポートされています。Strands では、@tool
デコレータを使用することで、任意の Python 関数をエージェントのツールとして使用できます。Strands は、ファイルの操作、API リクエストの実行、AWS API とのやり取りを行うためのサンプルツールを多数提供しています。また、何千もの公開 Model Context Protocol (MCP) サーバーから選択することも可能です。これには、AWS を最大限に活用するために役立つ、こちらの特化型 MCP サーバー一式が含まれます。AWS では、Amazon Q Developer、AWS Glue、VPC Reachability Analyzer など、本番環境の AI エージェントのために複数のチームが Strands を既に使用しています。Clare の記事で詳細をお読みください。
5 月 12 日週のリリース
私が注目したその他のリリースをいくつかご紹介します。
- AWS Transform for .NET: .NET アプリケーションを大規模にモダナイズするための初のエージェント型 AI サービス – プレビュー時よりもさらに多くの新機能が追加されました。これらの機能は、プライベート NuGet パッケージを使用するプロジェクト、Model-View-Controller (MVC) Razor ビューの ASP .NET Core Razor ビューへの移植、移植されたユニットテストの実行をサポートします。
- AWS Transform によるメインフレームと VMware ワークロードモダナイゼーションの加速 – メインフレームと VMware 両方のワークロードのクラウドベースアーキテクチャへの変換の評価、計画、実行を自動化して、そのプロセス全体を合理化します。
- Amazon Bedrock ガードレールがクロスリージョン推論のサポートを開始 – Amazon Bedrock ガードレールは、ApplyGuardrail API を使用して Amazon Bedrock でホストされているモデル、セルフホスト型モデル、Bedrock 外のサードパーティーモデルを含めた任意のモデルを呼び出すときの設定可能なセーフガードを提供し、安全性とプライバシーのコントロール標準化に役立つ一貫的なエクスペリエンスを実現します。この新機能を使用することで、需要のピーク時でも安定したスループットと強化されたレジリエンスが得られます。
- Amazon VPC がデフォルトで作成された VPC リソースのための CloudTrail ロギングを追加 – VPC の作成時または削除時に、セキュリティグループ、ネットワークアクセスコントロールリスト (ACL)、ルートテーブルなどのデフォルトリソースの作成または削除をトリガーするイベントを確認できるようになりました。この機能によって VPC リソースの可視性が向上し、監査とガバナンスに役立てることができます。
- AWS EC2 インスタンスがネットワークインターフェイスの ENA キュー割り当てのサポートを開始 – Elastic Network Adapter (ENA) キューは Elastic Network Interface (ENI) の主要コンポーネントであり、利用可能なキュー全体で送受信されるデータの負荷を分散することでネットワークトラフィックを効率的に管理できるようにします。この柔軟な ENA キュー割り当てにより、最適化されたリソース配分を通じて vCPU の使用率を最大化することが可能になります。ネットワーク集約型アプリケーションには多くのキューを割り当てることができ、CPU 集約型アプリケーションは少ないキューで運用できます。
- AI イノベーションを加速する NVIDIA Blackwell GPU を搭載した新しい Amazon EC2 P6-B200 インスタンス – これらのインスタンスは、特に強化学習 (RL) と蒸留を用いた 基盤モデル (FM) のための大規模な分散 AI トレーニングと推論、マルチモーダルトレーニングと推論、および気候モデリング、創薬、地震分析、保険リスクモデリングなどの ハイパフォーマンスコンピューティング (HPC) アプリケーションに適したインスタンスです。
- AWS Control Tower がベースライン API のためのアカウントレベルレポートを導入 – ベースラインステータスを使用してアカウントの登録状況を確認したり、ドリフトステータスを使用してアカウントと組織単位 (OU) のベースライン設定が非同期になったのを特定したりすることが可能になりました。
- Powertools for AWS Lambda を用いた AWS AppSync Events 統合の簡素化 – Powertools for AWS は、オブザーバビリティ、バッチ処理、AWS Systems Manager Parameter Store 統合、べき等性、機能フラグ、Amazon CloudWatch メトリクス、構造化ロギングなどが含まれる開発者ツールキットです。Powertools for AWS が、Python、TypeScript、.NET で利用できる新しいリゾルバー経由で AppSync Events をサポートするようになりました。
- AWS CodeBuild の新しい Docker サーバー機能で CI/CD パイプラインを高速化 – 待機時間を短縮し、全体的な効率性を高め、ビルド間で永続的なキャッシュを維持できるフルマネージド型 Docker サーバーのプロビジョニングが可能になりました。
- AWS CodePipeline がトラフィックシフトを使用した AWS Lambda へのデプロイのサポートを開始 – リニアデプロイパターンまたはカナリアデプロイパターンを使用して Lambda 関数更新を公開します。
- Amazon Cognito が OIDC プロンプトパラメータのサポートを開始 – ユーザーが明示的に再認証する必要があるか (既存の認証済みセッションを維持する)、認証状態のサイレントチェックを行うかをするかを選択します。
その他のアップデート
その他の興味深いプロジェクト、ブログ記事、ニュースをいくつかご紹介します。
- サーバーレスアプリケーションのための Amazon S3 署名付き URL のセキュア化 – Amazon S3 署名付き URL の使用から生じるセキュリティ上の影響に焦点を当て、S3 署名付き URL を使用するシステムのセキュリティを改善するために開発者が講じることのできる緩和策と、提供された推奨事項に従う AWS Lambda 関数について説明します。
- AWS Graviton と Arcee AI モデルを使用した生成 AI 推論の実行 – 大規模言語モデル (LLM) はさまざまなタスクに対応できますが、このモデルには、数千億個、時には数兆個におよぶパラメータをサポートするためのコンピューティングリソースが必要です。それに対して、小規模言語モデル (SLM) は通常 30~150 億個のパラメータを使用し、応答をより効率的に提供できます。この記事では、 AWS Graviton ベースのインスタンスを使用して SLM 推論ワークロードを最適化する方法を紹介します。
近日開催される AWS イベント
カレンダーを確認して、近日開催予定の AWS イベントにサインアップしましょう。
- AWS Summit – クラウドコンピューティングコミュニティがつながり、コラボレートし、AWS について学ぶために一堂に会する無料のオンラインおよび対面イベントに参加しましょう。最寄りの都市でご登録ください。日程は、ドバイ (5 月 21 日)、テルアビブ (5 月 28 日)、シンガポール (5 月 29 日)、ストックホルム (6 月 4 日)、シドニー (6 月 4–5 日)、ワシントン (6 月 10-11 日)、マドリード (6 月 11 日) です。
- AWS Cloud Infrastructure Day – 5 月 22 日に開催されるこの独占的なテクニカルイベントで、AWS クラウドインフラストラクチャテクノロジーにおける最新のイノベーションをご覧ください。
- AWS re:Inforce – カレンダーの 6 月 16~18 日には、ペンシルバニア州フィラデルフィアで開催される AWS re:Inforce を書き込んでおきましょう。AWS re:Inforce は、AWS セキュリティソリューション、クラウドセキュリティ、コンプライアンス、アイデンティティに焦点を当てた学習カンファレンスです。
- AWS パートナーイベント – クラウドジャーニーを始めたばかりであるか、新たなビジネス上の課題を解決したいと考えているかにかかわらず、誰もがインスピレーションと学びを得られるさまざまな AWS パートナーイベントが見つかります。
- AWS Community Day – 世界中の AWS エキスパートユーザーや業界リーダーが主導するテクニカルディスカッション、ワークショップ、ハンズオンラボを特色とする、コミュニティ主導のカンファレンスにぜひご参加ください。次回の Community Day は、スイス、チューリッヒ (5 月 22 日)、インド、バンガロール (5 月 23 日)、アルメニア、エレバン (5 月 24 日)、米国、ミルウォーキー (6 月 5 日)、ケニア、ナイロビ (6 月14 日) で開催されます。
5 月 19 日週のニュースは以上です。5 月 26 日週の Weekly Roundup もお楽しみに!
– Danilo
原文はこちらです。