Amazon Web Services ブログ
AWS Weekly Roundup: Project Rainier、Amazon CloudWatch 調査、AWS MCP サーバーなど (2025 年 6 月 30 日)
私がシアトルを訪れるたびに空港で最初に出迎えてくれるのは、レーニア山です。Amazon Web Services (AWS) で最も革新的なプロジェクトがこの山にちなんで名付けられていることをご存知でしたか?
Project Rainier は、米国内の複数のデータセンターで AI モデルをトレーニングするために、世界で最も強力なものとなることが期待されるコンピュータを作成する新しいプロジェクトです。Anthropic は、現在最も大規模なトレーニングクラスターの 5 倍の計算能力を備える高度な Claude モデルバージョンを開発する予定です。
Project Rainier を支える主要テクノロジーは、AWS がカスタム設計した Trainium2 チップです。このチップは、複雑な AI モデルのトレーニングに必要となる膨大なデータ処理に特化しています。大規模なシステム全体での超高速な通信とデータ共有を可能にする、新しいタイプの Amazon EC2 UltraServer と EC2 UltraCluster のアーキテクチャ内で、何千個もの Trainium2 チップが接続されることになります。
チップからソフトウェアに及ぶテクノロジースタックのあらゆるコンポーネントを設計し、最大限の効率性と信頼性のためにシステム全体を最適化することを可能にする、Project Rainer での AWS の垂直統合に関する詳細をご覧ください。
6 月 23 日週のリリース
私が注目したリリースをいくつかご紹介します。
- Amazon FSx for OpenZFS のための Amazon S3 アクセス – Amazon S3 Access Points を通じて FSx for OpenZFS ファイルデータにアクセスし、分析することができます。このため、ファイルシステムからデータを移動しなくても、AWS の AI/ML サービスや分析サービスとシームレスに統合できるようになります。FSx for OpenZFS データを S3 に保存されているかのように扱うことができるため、Amazon Bedrock、Amazon SageMaker、AWS Glue や、その他の S3 ベースのクラウドネイティブアプリケーションを含めたさまざまなアプリケーションのために S3 API 経由でデータにアクセスすることが可能になります。
- Amazon S3 の Apache Iceberg テーブル向けの sort および z-order コンパクション – 新しい sort および z-order コンパクションを使用して、クエリパフォーマンスの向上とコスト削減を実現できます。S3 Tables では、sort コンパクションが定義された列順序に基づいてデータファイルを自動的に整理し、z-order コンパクションは効率的な複数列のクエリのためにメンテナンス API 経由で有効化できます。
- Amazon CloudWatch 調査 – 異常の特定、関連するシグナルの表面化、および修復手順の提案に役立つ Amazon CloudWatch の AI 駆動の調査機能を使用することで、AWS 環境内での運用上のトラブルシューティングを迅速化することができます。この機能は、CloudWatch データウィジェット、複数の AWS コンソール、CloudWatch アラームアクション、または Amazon Q チャットを通じて開始でき、チームコラボレーションと Slack や Microsoft Teams との統合を可能にします。
- Amazon Bedrock ガードレールの Standard ティア – 新しい Standard ティアを使用することで、AI コンテンツの安全対策を強化できます。このティアは、最大 60 の言語全体でのコンテンツフィルタリング機能とトピック拒否機能の改善、誤字等の表記ゆれ検出の向上、プロンプト攻撃に対する保護の強化を実現します。この機能では、有害コンテンツのブロック、モデルハルシネーションの防止、個人を特定できる情報 (PII) のリダクション、自動推論チェックによる事実に基づく主張の検証を行うためのセーフガードを設定できます。
- プライベートホストゾーン向けの Amazon Route 53 Resolver エンドポイント – プライベートホストゾーンのサブドメイン向けの新しい Route 53 DNS 委任機能を使用することで、AWS とオンプレミスインフラストラクチャ全体での DNS 管理を簡素化できます。この機能は、インバウンドとアウトバウンド両方の Resolver エンドポイントで活用できます。ネームサーバーレコードを使用してオンプレミスインフラストラクチャと Route 53 Resolver クラウドサービス間でサブドメイン権限を委任できるため、複雑な条件付き転送ルールが不要になります。
- Java 変換向けの Amazon Q Developer CLI – 新しい Amazon Q Developer Java 変換コマンドラインインターフェイス (CLI) を使用して、Java アプリケーションのアップグレードを自動化し、スケールすることができます。この機能は、Java バージョン 8、11、17、または 21 からバージョン 17 または 21 へのアップグレードをコマンドラインから直接実行します。このツールは選択的な変換オプションを提供するため、変換計画から特定のステップを選択し、ライブラリのアップグレードをカスタマイズすることができます。
- 新しい AWS IoT Device Management マネージド統合 – 新しいマネージド統合機能を使用することで、複数のメーカーやプロトコル全体でのモノのインターネット (IoT) デバイス管理を簡素化できます。この機能は、デバイスが直接接続するか、ハブまたはサードパーティークラウド経由で接続するかにかかわらず、それらデバイスを制御するための統合インターフェイスを提供します。この機能には、事前構築された Cloud-to-Cloud (C2C) コネクタ、デバイスデータモデルテンプレート、および ZigBee、Z-Wave、Wi-Fi プロトコルをサポートする SDK が含まれていますが、カスタムコネクタやデータモデルを作成することも可能です。
AWS のお知らせに関する詳細なリストについては、「AWS の最新情報」ページをご覧ください。
AWS のその他のニュース
AWS サービス用のさまざまな Model Context Protocol (MCP) サーバーがリリースされました。皆さんが関心を持つと思われる MCP サーバー関連のチュートリアルをいくつかご紹介します。
- AWS costs estimation using Amazon Q CLI and AWS Cost Analysis MCP – Amazon Q CLI と AWS Cost Analysis MCP サーバーを併用することで、AWS ベストプラクティスに従う高度なコスト分析を実行できます。詳しい例とステップバイステップの手順を使用して、基本的な設定と高度なテクニックを説明します。
- Supercharging AWS database development with AWS MCP servers – MCP の背後にある中核的概念について学び、新しい AWS MCP サーバーが自然言語プロンプトを通じてデータベース開発を加速する方法を実証できます。
- Create your own MCP server with C# and .NET with Amazob Q CLI – Amazon Q CLI を MCP クライアントとして使用して、C# MCP サーバーを構築し、テストするためのローカル開発環境を設定することで、AI 駆動のアプリケーションを作成、反復、改善する能力を強化します。
近日開催予定の AWS イベント
カレンダーを確認して、近日開催予定の AWS イベントにサインアップしましょう。
- AWS re:Invent – 今すぐ登録して、一足先に最適な学習パスを選択し、移動手段と宿泊先を予約して、皆さんのチームとともに学び、つながり、楽しみましょう。若手のプロフェッショナルならば、All Builders Welcome Grant プログラムに申し込むこともできます。このプログラムは、経済的な障壁を取り除き、クラウドテクノロジーへの多様な道のりを創り出すように設計されています。
- AWS NY Summit – コンピューティング、ストレージ、生成 AI における最新かつ最新鋭の AWS テクノロジーに焦点を当てた Swami の基調講演からインサイトを得ることができます。ニュースブログチームもエキサイティングなニュースをいくつか用意しています。直接参加できない場合でも、グローバルライブストリームに登録して参加することが可能です。また、最寄りの都市で 7 月と 8 月に開催される予定の Summit の日付も確認しておきましょう。
- AWS Builders Online Series – 太平洋時間帯の地域を拠点としているならば、AWS でワークロードを構築、移行、デプロイするために役立つ基本的な AWS 概念やアーキテクチャ上のベストプラクティスを学び、実践的なデモに参加することができます。
近日開催されるすべての対面イベントと仮想イベントをご覧いただけます。
6 月 30 日週のニュースは以上です。7 月 7 日週の Weekly Roundup もお楽しみに!
– Channy
原文はこちらです。