Amazon Web Services ブログ
週刊AWS – re:Invent 2025 特別号 part 3 (2025/12/8週)
みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの古屋です。今週も 週刊AWS を皆様へお届けします!
先週は AWS re:Invent 2025 が開催されました。今週は特別号となっており、多くのアップデートを広くお届けするために、以下の 3 part 構成となっています。
週刊生成AI with AWS – re:Invent 2025 特別号 part 1
週刊AWS – re:Invent 2025 特別号 part 2
週刊AWS – re:Invent 2025 特別号 part 3 (本記事)
また、AWS の公式Youtubeチャンネル AWS Events にて各セッションをオンデマンド配信しておりますので、臨場感を味わいたい方はぜひこちらもご視聴くださいませ!
それでは、主なアップデートについて振り返っていきましょう。
カテゴリリンク : Migration & Modernization | Networking & Content Delivery | Partner Network | Security, Identity, & Compliance | Storage
Migration & Modernization
- AWS Transform カスタム が組織全体のアプリケーションモダナイゼーションを加速
AWS Transform カスタム の一般提供が開始されました。エージェント型 AI を使用して組織固有のコードとアプリケーションのモダナイゼーションを大規模に加速するサービスです。バージョンアップグレード、ランタイム移行、フレームワーク移行などを自動化し、多くのケースで実行時間を 80% 以上削減します。Python や Node.js のランタイムアップグレード、Java 8 から 17 へのアップグレードなどの一般的なパターンについては事前構築済みの変換を提供し、組織固有のニーズには自然言語で変換を定義できます。シンプルな 1 行の CLI コマンドで変換をトリガーでき、エージェントは開発者のフィードバックから継続的に学習し変換精度を向上させます。詳細はこちらのブログをご覧ください。 - AWS Transform がフルスタック Windows モダナイゼーション向け AI エージェントを発表
AWS Transform for full-stack Windows modernization が発表されました。Windows アプリケーションスタック全体にわたる複雑で面倒なモダナイゼーション作業を自動化するサービスです。アプリケーション、UI、データベース、デプロイメント層全体で、フルスタック Windows モダナイゼーションを最大 5 倍加速します。.NET Framework アプリケーションをクロスプラットフォーム .NET に移植するとともに、SQL Server データベースを Amazon Aurora PostgreSQL に移行し、ストアドプロシージャの変換と依存するアプリケーションコードのリファクタリングを行います。検証とテストのため、AWS Transform はアプリケーションを Amazon EC2 Linux または Amazon ECS にデプロイし、本番環境用のカスタマイズ可能な AWS CloudFormation テンプレートとデプロイ設定を提供します。詳細はこちらのブログをご覧ください。 - AWS Transform for mainframe に新しいテスト自動化機能を追加
AWS Transform for mainframe で新しいテスト自動化機能が提供開始されました。通常プロジェクト期間の 50% 以上を消費するメインフレームモダナイゼーションテストに必要な時間と労力を削減できます。自動テスト計画生成、テストデータ収集スクリプト、テストケース自動化スクリプトが含まれ、テスト環境のステージング、テストケースの実行、結果検証を自動化します。複雑なテストタスクを自動化し、希少なメインフレーム専門知識への依存を減らすことで、組織はより高い信頼性でアプリケーションをモダナイズできます。詳細はこちらのブログをご覧ください。 - AWS Transform にエンタープライズ VMware 移行向けエージェント型 AI 機能を追加
AWS Transform に VMware 移行を自動化する新しいエージェント型 AI 機能が追加されました。移行エージェントが移行チームのビジネス優先順位を理解し、数千のサーバーにまたがる数百のアプリケーションを計画・移行することで、手動作業、時間、複雑さを大幅に削減します。所有権、部門、機能などのビジネスおよび技術的優先順位でグループ化された移行計画を生成し、VMware、HyperV、Nutanix、KVM などのハイパーバイザーや物理環境から AWS へサーバーを安全に移行します。移行中はエージェントに質問しながら、ステップの繰り返しやスキップ、計画の調整が可能です。詳細はこちらの製品ページをご参照ください。
Networking & Content Delivery
- AWS Interconnect – multicloud のプレビュー提供を開始
AWS Interconnect – multicloud のプレビュー提供が開始されました。他のクラウドサービスプロバイダー (CSP) へのシンプルで回復力のある高速プライベート接続を提供するサービスです。従来、複数のクラウドプロバイダー間でワークロードを相互接続する際に必要だったグローバルな多層ネットワークの管理が不要になり、Amazon VPC と他のクラウド環境間で専用帯域幅と組み込みの回復力を備えたプライベートで安全な接続を迅速に確立できます。プレビューでは Google Cloud が最初のローンチパートナーとなり、2026 年後半には Microsoft Azure もサポート予定です。現在、バージニア北部リージョンを含む、5 つの AWS リージョンでプレビュー提供中です。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。 - Amazon Route 53 Global Resolver が安全な anycast DNS 解決を提供(プレビュー)
Amazon Route 53 Global Resolver のプレビュー提供が開始されました。組織内の認証済みクライアントに対し、インターネット経由でどこからでも利用できる、簡単・安全・高信頼な DNS 解決を提供する新しい DNS リゾルバーです。このサービスにより、パブリックドメインと、Route 53 プライベートホストゾーンに関連付けられたプライベートドメインの両方を解決するスプリット DNS を実現できます。 また、DNS Firewall ルールを使って、マルウェアやスパム、DNS トンネリングといった脅威カテゴリに基づいてドメインクエリをフィルタリングし、DNS ベースのデータ流出攻撃からクライアントを保護できます。2 つ以上のリージョンを anycast DNS 解決の対象として選択することで、自動フェイルオーバー付きの高可用な DNS 解決を構成できます。 プレビュー期間中は、Global Resolver を追加料金なしで利用できます。詳細はこちらのブログをご覧ください。
Partner Network
- AWS Marketplace でマルチプロダクトソリューションを提供開始
AWS Marketplace でマルチプロダクトソリューションのサポートが開始されました。1 つ以上の AWS パートナーからの製品とサービスを組み合わせた、特定の業界や顧客ユースケースに合わせたソリューション中心の調達が可能になります。パートナーは、独立系ソフトウェアベンダー (ISV) からシステムインテグレーターまで、自社のソフトウェアやサービスと、他の AWS パートナーから再販を許可された製品を組み合わせて包括的なソリューションを販売できます。ユーザーは、単一の窓口での交渉、総コストの評価、ソリューションを構成するすべての製品を一括で承認できるなど、合理化された調達プロセスのメリットを得られます。 購入後は、各コンポーネントごとに更新や契約期間を個別に管理できる柔軟性も備えています。詳細はこちらのブログをご覧ください。 - AWS Partner Central が AWS Management Console で利用可能に
AWS Partner Central が AWS Management Console で利用可能になりました。これにより、AWS パートナーは Partner Central と AWS Marketplace Management Portal に、より簡単にアクセスできるようになりました。また、統合やプロセス自動化のための API も利用可能です。また、IAM に基づく強化されたセキュリティとユーザー管理機能により、きめ細かなアクセス許可設定やシングルサインオン (SSO) が可能になり、運用効率とスケーラビリティが向上します。本機能はすべての AWS リージョンで利用可能です。詳細はこちらのブログをご覧ください。 - AWS AI Competency に新しい Agentic AI カテゴリを追加
AWS AI Competency(旧 Generative AI Competency)が大幅に拡張され、Agentic AI Tools、Agentic AI Applications、Agentic AI Consulting Services の3 つの新しい Agentic AI カテゴリが追加されました。これらのカテゴリにより、ユーザーは最小限の人間の監視で認識・推論・行動できる自律型 AI システムの開発と実装を専門とする AWS パートナーを容易に特定できます。また、パートナー検証プロセスを効率化するために AWS Partner Central に AI エージェントが導入され、パートナーは AI Specialization 申請に対して即座にフィードバックを受け取れるようになり、コンピテンシー取得までの道のりが大幅に加速されます。 詳細はこちらのブログをご覧ください。
Security, Identity, & Compliance
- AWS Security Agent を発表(プレビュー)
AWS Security Agent のプレビュー提供が開始されました。開発ライフサイクル全体でアプリケーションを積極的に保護する AI エージェントです。組織の要件に合わせた自動セキュリティレビューを実施し、コンテキストを考慮したペネトレーションテストを提供します。セキュリティチームが暗号化ライブラリや認証フレームワークなどのセキュリティ要件を一度定義すると、エージェントがアーキテクチャドキュメントとコードを評価し、違反が検出された場合に具体的なガイダンスを提供します。ペネトレーションテストでは、エージェントがアプリケーションコンテキストを構築し、高度な攻撃チェーンを実行して脆弱性を発見・検証します。すべてのチームにわたって一貫したセキュリティポリシーの適用を実現し、リスク露出を大幅に削減します。バージニア北部リージョンでプレビュー提供中です。詳細はこちらのブログをご覧ください。 - Amazon GuardDuty Extended Threat Detection が Amazon EC2 と Amazon ECS をサポート
Amazon GuardDuty Extended Threat Detection が Amazon EC2 インスタンスと Amazon ECS クラスターを対象とした多段階攻撃を検出する機能を発表しました。AWS 規模でトレーニングされた AI と機械学習アルゴリズムを使用して、セキュリティシグナルを自動的に相関付け、重大な脅威を検出します。また、新たに 2 種類の重大度「クリティカル」の検出結果が追加され、攻撃シーケンス情報を提供することで、初期分析にかかる時間を短縮し、重大な脅威への対応により多くの時間を割けるようになります。各検出結果には、詳細なサマリー、イベントタイムライン、MITRE ATT&CK の戦術とテクニックへのマッピング、推奨される対処方法が含まれます。GuardDuty Extended Threat Detection は、GuardDuty を有効化しているお客様であれば追加料金なしで自動的に有効になります。詳細はこちらのブログをご覧ください。 - IAM Policy Autopilot が IAM ポリシー作成を簡素化を実現
IAM Policy Autopilot が発表されました。アプリケーションコードを分析し、AI コーディングアシスタントが AWS Identity and Access Management (IAM) のアイデンティティベースのポリシーを生成するのを支援する、新しいオープンソースの Model Context Protocol (MCP) サーバーです。コーディングアシスタントは IAM Policy Autopilot を呼び出してアプリケーション内の AWS SDK 呼び出しを分析し、必要なアイデンティティベースの IAM ポリシーを生成します。詳細はこちらのブログをご覧ください。 - (新)AWS Security Hub が一般提供開始
新しいAWS Security Hub の一般提供が開始されました。重要なセキュリティ問題を優先順位付けし、大規模な対応を支援する統合クラウドセキュリティソリューションです。一般提供により、Security Hub にはニアリアルタイムのリスク分析、高度なトレンド、統合された有効化と管理が含まれるようになりました。Amazon GuardDuty、Amazon Inspector、AWS Security Hub CSPM からのセキュリティシグナルを関連付けて強化することで重大なリスクを検出し、クラウド環境内のアクティブなリスクを迅速に表面化して優先順位を付けることができます。強化された視覚化とコンテキストエンリッチメントを通じて、セキュリティシグナルを実用的な洞察に変換します。詳細はこちらのブログをご覧ください。
Storage
- Amazon FSx for NetApp ONTAP が Amazon S3 アクセスをサポート開始
Amazon FSx for NetApp ONTAP ファイルシステムに Amazon S3 Access Points をアタッチできるようになりました。ファイルデータを S3 にあるかのようにアクセスできます。FSx for NetApp ONTAP のファイルデータが、S3 と連携する AI、機械学習、分析サービスやアプリケーションで簡単に利用できるようになり、ファイルデータは FSx for NetApp ONTAP ファイルシステムに保存されたままです。Amazon Bedrock で生成 AI アプリケーションを強化したり、Amazon SageMaker で機械学習モデルをトレーニングしたり、Amazon Glue を使用して分析を実行したり、S3 ベースのクラウドネイティブアプリケーションを使用してワークフローを実行できます。詳細はこちらのブログをご覧ください。 - Amazon S3 Tables にレプリケーションと Intelligent-Tiering を追加
Amazon S3 Tables に 2 つの新機能が追加されました。1 つは、アクセスパターンに基づいてストレージコストを自動最適化する Intelligent-Tiering ストレージクラス、もう 1 つは、手動同期なしで AWS リージョンやアカウント間で一貫した Apache Iceberg テーブルレプリカを維持できるレプリケーションのサポートです。Intelligent-Tiering ストレージクラスでは、アクセスパターンの変化に応じてデータを最もコスト効率の高いアクセス階層へ自動的に移動し、アプリケーションの変更やパフォーマンスへの影響なしにストレージコストを削減できます。レプリケーション機能では、Apache Iceberg テーブルのレプリカが読み取り専用テーブルとして自動的に作成され、ソーステーブルのスナップショット構造を維持したまま更新が順次反映されます。詳細はこちらのブログをご覧ください。 - Amazon S3 Storage Lens に 3 つの新機能追加
Amazon S3 Storage Lens に 3 つの新機能が追加されました。ストレージのパフォーマンスと使用パターンに関する深い洞察を提供するパフォーマンスメトリクス、数十億のプレフィックスの分析サポート、Amazon S3 Tables への直接エクスポート機能です。新しいパフォーマンスメトリクスには、小さなオブジェクトによるパフォーマンス低下を特定するリクエストサイズ分布、同時 PUT 操作による 503 エラーの追跡、リージョン間データ転送の可視化、頻繁にアクセスされるオブジェクトの特定などが含まれます。プレフィックス分析は大幅に拡張され、従来の 1% サイズ閾値と最大深度 10 レベルの制限が撤廃され、バケットあたり数十億のプレフィックスを最も詳細なレベルで分析できるようになりました。メトリクスは S3 Tables に自動的にエクスポートされ、Amazon Athena や Amazon QuickSight などの AWS 分析サービスで追加の処理インフラストラクチャなしですぐにクエリできます。詳細はこちらのブログをご覧ください。 - Amazon S3 Vectors がスケールとパフォーマンスを向上させて一般提供開始
Amazon S3 Vectors の一般提供が開始されました。ベクトルデータの保存とクエリをネイティブにサポートする初のクラウドオブジェクトストレージで、専用のベクトルデータベースソリューションと比較して総コストを最大 90% 削減できます。単一のインデックスで最大 20 億のベクトルを保存および検索できるようになり、プレビュー時の 40 倍に増加しました。クエリパフォーマンスも最適化され、頻度の高いクエリでは約 100 ミリ秒以下のレイテンシーを実現し、会話型 AI やマルチエージェントワークフローなどのインタラクティブなアプリケーションに適しています。書き込みパフォーマンスも大幅に向上し、最大 1,000 PUT トランザクション/秒をサポートします。完全なサーバーレスアーキテクチャにより、インフラストラクチャのオーバーヘッドが排除され、使用した分だけ支払います。14 の AWS リージョンで利用可能です。詳細はこちらのブログをご覧ください。 - Amazon S3 で最大オブジェクトサイズが 50 TB に
Amazon S3 の最大オブジェクトサイズが 50 TB に増加しました。従来の 5 TB 制限から 10 倍の増加となります。高解像度ビデオ、地震データファイル、AI トレーニングデータセットなどの大きなオブジェクトの処理が簡素化できます。50 TB のオブジェクトはすべての S3 ストレージクラスに保存でき、すべての S3 機能を使用できます。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。
それでは、また来週お会いしましょう!