Amazon Web Services ブログ
週刊AWS – 2025/8/11週
2025年8月11日週の主要なアップデート
- 8/11(月)
- AWS IoT Core が DeleteConnection API を導入し MQTT 接続を効率化
AWS IoT Core で DeleteConnection API が新たに提供開始されました。この API により、MQTT クライアントをプログラム的に切断できるようになり、デバイス管理が大幅に向上します。従来は手動での切断しかできませんでしたが、今回のアップデートでエンドポイント間でのデバイス移動や接続トラブル対応が自動化可能になりました。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。 - Amazon RDS for Oracle が 2025 年 7 月 Spatial Patch Bundle をサポート開始
Amazon RDS for Oracle で 2025 年 7 月の Spatial Patch Bundle (SPB) がサポート開始されました。Oracle Database 19c 向けの重要な修正が含まれており、地理空間データを扱う Oracle Spatial や Graph 機能のパフォーマンスと信頼性が向上します。地図アプリケーションや位置情報サービスを構築する際に、より安定した動作が期待できます。新規 DB インスタンス作成時や既存インスタンスのアップグレード時に最新バージョンを選択でき、AWS コンソールで簡単に識別可能です。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。 - Amazon SageMaker HyperPod が新しいクラスター設定エクスペリエンスを提供開始
Amazon SageMaker HyperPod で新しいクラスター作成体験が提供開始されました。大規模な AI/ML ワークロード向けのネットワーク、ストレージ、コンピュート、IAM 権限などを数クリックで自動設定できます。従来は手動でこれらのリソースを個別に設定する必要がありましたが、新しいクイック設定により AWS インフラの専門知識がない方でも簡単にクラスターを構築可能になりました。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。
- AWS IoT Core が DeleteConnection API を導入し MQTT 接続を効率化
- 8/12(火)
- クラスター配置グループにおける EC2 オンデマンドキャパシティ予約の新しい共有とターゲティング機能
Amazon EC2 のクラスタープレイスメントグループ内でのオンデマンドキャパシティリザベーション (CPG-ODCR) に新機能が追加されました。これまで単一のプレイスメントグループ内でしか管理できなかった予約容量を、複数のプレイスメントグループにまたがってリソースグループで一括管理できるようになりました。また AWS Resource Access Manager を使って複数の AWS アカウント間で CPG-ODCR を共有可能になり、組織全体でキャパシティを効率的に活用できます。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。 - Amazon Q Business がチャットの透明性向上のため Response Events を開始
Amazon Q Business に Response Events 機能が追加されました。これまでクエリ処理がブラックボックス状態で、AI がどのように回答を生成したか分からない課題がありました。新機能により、RAG による企業知識の検索やファイル処理、プラグインとのやり取りをリアルタイムで確認できるようになります。処理過程が見える化されることで、AI 回答への信頼性と透明性が大幅に向上し、組織での監査も容易になります。 - Amazon Bedrock の Anthropic Claude Sonnet 4 でコンテキストウィンドウが拡張
Amazon Bedrock の Claude Sonnet 4 でコンテキストウィンドウが 20 万トークンから 100 万トークンに 5 倍拡張されました。これにより、大規模なコードベース全体の分析や、数百の文書を一度に処理する文書統合、複雑なワークフローを持つ AI エージェントの構築が可能になります。従来は分割して処理する必要があった大容量データも、1 回のリクエストで完全な文脈を保ったまま処理できるようになりました。現在パブリックプレビューでオレゴン、バージニア北部、オハイオリージョンで利用可能です。
- クラスター配置グループにおける EC2 オンデマンドキャパシティ予約の新しい共有とターゲティング機能
- 8/13(水)
- AWS IAM Identity Center が Amazon SageMaker Studio でのユーザーバックグラウンドセッションのサポートを導入
AWS IAM Identity Center で user background sessions がサポートされ、Amazon SageMaker Studio での長時間ジョブがユーザーのログオフ後も継続実行できるようになりました。従来はユーザーがサインインし続ける必要がありましたが、最大 90 日間バックグラウンドで自動実行が可能です。機械学習の学習やデータ処理など数時間から数日かかるジョブでも、パソコンを閉じて帰宅できるため作業効率が大幅に向上します。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。 - Amazon DynamoDB が、プロビジョンドからオンデマンド容量への、より頻繁なスループットモード更新をサポート
Amazon DynamoDB で、プロビジョニング済み容量からオンデマンド容量モードへの変更回数が、24 時間で 1 回から 4 回に拡張されました。これまでは 1 日 1 回しか変更できませんでしたが、大量データの複数回読み込みや CloudFormation のデプロイ・ロールバックがスムーズに実行できるようになります。オンデマンドモードは完全サーバーレスで従量課金制、自動スケーリングにより容量計画不要でミリオン単位のリクエストにも対応します。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。 - Amazon SageMaker Studio がトラステッドアイデンティティプロパゲーションをサポート
Amazon SageMaker Studio で trusted identity propagation (TIP) がサポートされ、管理者が Studio 内のアクションを実際のユーザーまで追跡できるようになりました。これまでは誰がどの作業を行ったか特定が困難でしたが、今回のアップデートにより CloudTrail イベントを通じてユーザーセッションを詳細に追跡可能です。また AWS Lake Formation や S3 Access Grants と連携し、ユーザー単位での細かなデータアクセス制御も実現できます。中国リージョンと GovCloud リージョンを除く全リージョンで利用可能です。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。
- AWS IAM Identity Center が Amazon SageMaker Studio でのユーザーバックグラウンドセッションのサポートを導入
- 8/14(木)
- AWS Systems Manager Automation がランブック実行制御を強化し、無料利用枠を更新
AWS Systems Manager Automation に 3 つの新機能が追加されました。これまでランブックの再実行時にパラメータを毎回入力する必要がありましたが、今回のアップデートで事前入力されたパラメータでワンクリック実行が可能になりました。また高負荷時の API スロットリングエラーを自動リトライする機能や、組織単位 (OU) をより細かく指定できる機能も追加され、運用効率が大幅に向上します。ただし無料利用枠の変更があり、新規顧客は従来の月間 10 万ステップの無料枠が利用できず、新規アカウント作成時の 200 ドル分のクレジットでお試しいただく形になります。 - Amazon WorkSpaces の導入を効率化された Bring Your Own License (BYOL) プロセスで加速
Amazon WorkSpaces の BYOL (Bring Your Own License) プロセスが大幅に改善されました。従来は AWS Support への連絡が必要でしたが、今回のアップデートにより自分で BYOL 機能を有効化できるようになります。Windows の VM 画像や ISO ファイルを直接インポートでき、EC2 Image Builder が自動で WorkSpaces 対応画像を構築します。互換性の問題も多くが自動解決され、手動での対応が必要な場合も EC2 インスタンスに直接アクセスして修正可能です。これにより BYOL 導入時間が大幅短縮され、企業の既存ライセンス活用がより簡単になります。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。 - Amazon Q Business が Agentic RAG を開始し、精度と説明可能性を向上
Amazon Q Business で新機能 Agentic RAG の提供が開始されました。これまで複雑な質問に対して十分な回答が得られなかった課題を解決し、AI エージェントが質問を自動的に分解して並列処理することで、より正確で詳細な回答を生成できるようになりました。企業データを対象とした複雑な問い合わせでも、データの整合性をチェックしながら包括的な回答を提供します。Web アプリケーションの Advanced Search オプションから利用可能です。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。
- AWS Systems Manager Automation がランブック実行制御を強化し、無料利用枠を更新
- 8/15(金)
- AWS Managed Microsoft AD がディレクトリ共有制限を拡大
AWS Managed Microsoft AD のディレクトリ共有制限が大幅に拡張されました。Standard Edition では 5 から 25 アカウント、Enterprise Edition では 125 から 500 アカウントまで共有可能になりました。これまで複数のディレクトリを構築していた企業も、単一のマネージドディレクトリから数百の AWS アカウントに対して認証と管理を一元化できるようになり、運用の複雑さを大幅に削減できます。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。 - Amazon VPC が大規模 IP プールに対する IPv4 インバウンドルーティングをサポート
Amazon VPC で大規模な IP プールに対する IPv4 ingress routing をサポート開始しました。これまでインターネットゲートウェイは VPC 内のネットワークインターフェースに関連付けられた IP アドレス宛てのトラフィックのみを受け入れていましたが、今回の機能強化により大量の IP アドレスプールへのインバウンドトラフィックを単一の ENI にルーティングできるようになります。通信事業者や IoT 分野で特に有効で、アドレス変換処理が不要になりコストや複雑性を削減できます。BYOIP と組み合わせることで自社の IP プールも活用可能です。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。 - Amazon Athena が Amazon S3 Tables での CREATE TABLE AS SELECT をサポート開始
Amazon Athena で CREATE TABLE AS SELECT (CTAS) を使って Amazon S3 Tables にテーブルを作成できるようになりました。1つの SQL 文で既存データをクエリし、結果を新しいテーブルとして保存可能です。Parquet や CSV などの様々なフォーマットを Apache Iceberg ベースの完全管理テーブルに変換でき、パフォーマンスとコストが継続的に最適化されます。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。
- AWS Managed Microsoft AD がディレクトリ共有制限を拡大