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週刊AWS – 2025/7/21週

みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの戸塚です。今週も 週刊AWS をお届けします。

ところで、AWS Builders Online というイベントがまもなく開催されるのですが、参加されたことはありますでしょうか。最新の生成 AI サービスから実践的なデータ分析手法まで、ビジネスですぐに活用できる知識を得られるところや、実務で直面する課題に対する具体的な解決策を学べるようになっており、初学者の方にはおすすめのイベントとなっています。イベント登録はこちらから可能となっています。オンラインで参加可能ですので、熱い夏は自宅で AWS 学習に時間を費やしてみるのもよいかもしれませんね。

それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。

2025年7月21日週の主要なアップデート

 

  • 7/21(月)
      • Amazon Braket が IQM の新しい 54 量子ビット量子プロセッサを追加
        Amazon Braket で IQM の新しい 54 量子ビット量子プロセッサ「Emerald」が利用可能になりました。Emerald は超伝導技術を使った最新の量子コンピューティングデバイスで、従来より高い精度で量子アルゴリズムの研究・実験が可能です。Braket SDK や Qiskit などの人気フレームワークで量子プログラムを構築でき、量子機械学習や最適化問題の解決に活用できます。ストックホルムリージョンから利用でき、研究機関向けには AWS クレジットプログラムも提供されています。詳細はこちらの Blog 記事をご参照ください。
      • Amazon Connect が外部音声コネクタの日単位料金を発表
        Amazon Connect の外部音声コネクタが 1 日 100 ドルの日次課金になりました。従来は、1コネクタあたり月額 3,100 ドルだったところが、細かい単位での課金が可能になり、コスト管理がしやすくなります。このコネクタには 2 種類あり、転送コネクタは既存の音声システムと Amazon Connect を連携させ、分析コネクタは他システムの音声データを Contact Lens で分析できます。既存のコールセンターシステムを活用しながら Amazon Connect の AI 機能を利用したい企業にとって便利な機能です。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。
      • Amazon SQS がマルチテナントワークロード向けのフェアキューを導入
        Amazon SQS で fair queues (フェアキュー) 機能が提供開始されました。従来、マルチテナント環境で一つのテナントが大量メッセージを送信すると他のテナントの処理が遅延する問題がありましたが、この機能により各テナントの処理時間を公平に保てます。メッセージ送信時にメッセージグループ ID を指定するだけで利用でき、既存システムへの影響なく導入可能です。SaaS アプリや複数リソースのイベント処理に特に有効で、全商用リージョンで利用できます。詳細はこちらの Blog 記事をご参照ください。
  • 7/22(火)
      • Amazon Timestream for InfluxDB が 24xlarge メモリ最適化インスタンスをサポート開始
        Amazon Timestream for InfluxDB で 24xlarge メモリ最適化インスタンスが利用可能になりました。96 vCPU、768 GiB のメモリ、最大 40 Gbps のネットワーク帯域幅を提供し、大規模な時系列データベースワークロードに対応できます。産業用テレメトリー、IoT 分析、金融取引プラットフォームなど、高速な応答時間が求められる用途に最適です。東京リージョンを含む複数のリージョンで利用でき、コンソール、CLI、SDK、CloudFormation から簡単にプロビジョニングできます。
  • 7/23(水)
      • Amazon RDS for Oracle と Amazon Redshift のゼロ ETL 統合
        Amazon RDS for Oracle と Amazon Redshift の zero-ETL 統合機能が提供開始されました。従来は複雑な ETL パイプラインを構築する必要がありましたが、この機能により Oracle データベースに書き込まれたデータが数秒で Redshift に自動レプリケーションされます。これにより、ペタバイト規模のトランザクションデータをリアルタイムに近い形で分析や機械学習に活用できるようになります。特定のテーブルやデータベースを選択してレプリケーションでき、Oracle Database 19c で利用可能です。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。
      • AWS IoT SiteWise Query API が高度な SQL サポートと ODBC ドライバを追加
        AWS IoT SiteWise Query API が大幅に強化され、高度な SQL 機能と ODBC ドライバーが追加されました。これまで複雑だった工業データの分析が簡単になり、文字列操作や集約関数、日時計算などの高度な SQL 操作が可能です。さらに ODBC ドライバーにより Tableau や Power BI、Excel との直接連携も実現し、カスタム開発なしでデータ可視化やレポート作成ができます。東京リージョンを含む 9 つのリージョンで利用可能で、工業データから迅速にビジネス洞察を得られるようになりました。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。
      • Amazon Connect が予測編集 UI を開始
        Amazon Connect で予測編集 UI が新登場し、コールセンターのプランナーが予測調整を簡単に行えるようになりました。従来は複雑だった予測値の変更が、新しい UI で直感的に操作可能になります。マーケティングキャンペーン期間中に火曜・水曜の 12 時から 14 時の予測を 15% 増加させるなど、具体的な日時・キュー・チャネルを指定した調整ができます。需要変動への迅速な対応と計画精度の向上を実現し、エージェントスケジューリング機能が利用可能な全リージョンで提供開始されました。

それでは、また来週お会いしましょう!

著者について

Tomoya Tozuka

戸塚 智哉(Tomoya Tozuka) / @tottu22


飲食やフィットネス、ホテル業界全般のお客様をご支援しているソリューション アーキテクトで、AI/ML、IoT を得意としています。最近では AWS を活用したサステナビリティについてお客様に訴求することが多いです。
趣味は、パデルというスペイン発祥のスポーツで、休日は仲間とよく大会に出ています。