Amazon Web Services ブログ
週刊AWS – 2025/5/12週
みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの根本です。
今週も週刊AWSをお届けします。
サービスのアップデートの前に2つイベントの宣伝をさせてください。
一つ目は、5月27日にAWS Developer Live Showで「ナウいフロントエンド開発 ~ 生成 AI と協調するには ~」が予定されています。フロントエンド開発での生成 AI 活用について学べる機会ですのでぜひご活用ください。
2025 年 5 月 27 日 (火) 17:00 – 18:00 JST
ナウいフロントエンド開発 ~ 生成 AI と協調するには ~
https://aws.amazon.com/jp/builders-flash/developer-live-show/
もう一つは6月5日にSaaS・ソフトウェア ソリューション ベンダー 兼 AWS Marketplace パートナー 11社が集結するイベントです。AWS Marketplace活用のアイディアの一つとしてぜひご参考にしていただければと思います。
2025 年 6月 5日 (木) 14:30 – 19:00 JST
AWS Marketplace Solution EXPO Spring 2025
https://pages.awscloud.com/aws-marketplace-solution-expo-spring-2025-jp.html
それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。
2025年4月14日週の主要なアップデート
- 5/12(月)
- AWS EC2 instances now support ENA queue allocation for your network interfaces
EC2インスタンスのElastic Network Interface(ENI)ごとに柔軟なキュー割り当てを可能にするElastic Network Adapter(ENA)が発表されました。これまで静的に割り当てられていたENAキューが、インスタンスの総キュープールから動的に割り当て可能になることで、ワークロードの要件に応じて最適なネットワークリソースの配分が可能になりました。この機能強化により、ネットワーク集約型アプリケーションにより多くのキューを割り当てたり、CPU集約型アプリケーションには少ないキューで運用したりと、より効率的なリソース管理が実現できます。この機能はすべてのAWS商用リージョンで利用可能です。詳細はドキュメントをご確認ください。
- Amazon SageMaker Unified Studio now allows you to bring your own image (BYOI)
Amazon SageMaker Unified Studioで独自のイメージを持ち込める(BYOI)機能が追加されました。このアップデートにより、規制やコンプライアンス要件がある企業や、デフォルトのSageMaker Distributionイメージを使用したくないユーザーが、カスタマイズされた開発環境を構築できるようになりました。必要なフレームワークの選択や新しい依存関係の追加、開発環境と本番環境間でのコードの再現性確保などの面で利点があります。このアップデートはAmazon SageMaker Unified Studioが利用可能なすべてのAWS商用リージョンで利用可能です。詳細はドキュメントをご確認ください。
- Announcing Code Editor (based on VS Code – Open Source) in Amazon SageMaker Unified Studio
Amazon SageMaker Unified Studioで、Code EditorとMultiple Spacesの2つの新機能が追加されました。Code EditorはCode-OSSベースの軽量かつパワフルなIDEで、Visual Studio Code互換の拡張機能を利用できます。また、Multiple Spacesサポートにより、ユーザーごとプロジェクトごとに複数の作業スペースを管理できるようになりました。これらの機能強化により、開発チームの生産性が向上し、より効率的なML開発環境が実現します。これらの機能が利用可能なAWSリージョンについては、こちらをご覧ください。また、機能の詳細についてはドキュメントをご確認ください。
- AWS EC2 instances now support ENA queue allocation for your network interfaces
- 5/13(火)
- Amazon VPC adds CloudTrail logging for VPC resources created by default
Amazon VPCのCloudTrailログ機能が強化され、VPC作成時にデフォルトで作成されるリソースも記録されるようになりました。これまでは明示的に作成されたリソースのみが記録されていましたが、今回の更新により、セキュリティグループ、ネットワークACL、ルートテーブルなどのデフォルトリソースの作成や削除も自動的に記録されるようになりました。この機能強化により、監査とガバナンスの要件への対応が容易になり、VPCリソースの可視性が向上します。このアップデートは、追加コストなしですべてのAWS商用リージョンとAWS GovCloud(US)リージョンで利用可能です。詳細についてはドキュメントをご確認ください。
- Amazon ECS adds support for Amazon EBS Provisioned Rate for Volume Initialization
Amazon ECSがAmazon EBSのボリューム初期化のためのプロビジョニングレートをサポートしました。これまでもEBSスナップショットからECSタスクに接続されたEBSボリュームを初期化することは既に可能でしたが、今回のアップデートにより初期化レートを指定することで、予測可能な時間内でボリュームの完全なパフォーマンスを確保できるようになりました。この機能はすべてのAWS商用リージョンで利用可能です。詳細はドキュメントをご確認ください。
- AWS announces new AWS Data Transfer Terminal location in the San Francisco Bay Area
新しいAWS Data Transfer Terminalがカリフォルニア州サンタクララのCoreSite SV8に開設されました。Data Transfer Terminalは、お客様が物理的なストレージデバイスを持ち込んで高速なネットワーク接続を通じてAWSに大容量データをアップロードできる安全な施設で、ロサンゼルスとニューヨークに続く3つ目の拠点となります。利用に際しては、AWSコンソールで最寄りのData Transfer Terminalを予約いただけます。また、詳細についてはドキュメントをご覧ください。
- Amazon VPC adds CloudTrail logging for VPC resources created by default
- 5/14(水)
- Amazon Aurora and RDS for PostgreSQL, MySQL, and MariaDB now offer Reserved Instances for R8g and M8g instances
Amazon AuroraおよびPostgreSQL, MySQL, MariaDBのRDSでGraviton4ベースのR8gおよびM8gインスタンスのリザーブドインスタンス(RI)購入が可能になりました。RIは、オンデマンド料金と比べて大幅な割引を提供する購入オプションです。同じファミリー内でインスタンスサイズの柔軟性があり、シングルAZとマルチAZの構成の両方に自動的に適用されるため、リソースが変動する本番ワークロードに理想的です。今回のRI対応は、Graviton4ベースのインスタンスが提供されているすべてのAWSリージョンで利用可能で、対応するDBエンジンバージョンについては、AuroraとRDSのドキュメントを参照してください。同じタイミングで、Intel第4世代Xeon Scalableプロセッサを搭載したR7iおよびM7iインスタンスも同様にRI購入が可能になっています。
- Amazon Bedrock Guardrails now supports cross-region inference
Amazon Bedrock Guardrailsがクロスリージョン推論をサポートしました。Bedrock Guardrailsは有害なコンテンツの検出とブロック、特定トピックの制限、個人情報の編集など、さまざまな保護機能を提供し、さらにモデルのハルシネーションの検出や事実確認を行う機能です。今回のアップデートにより、異なるAWSリージョンのコンピュートを活用してトラフィックバーストをシームレスに管理できるようになり、需要の急増時でも一貫したスループットと高い可用性を実現できます。クロスリージョン推論による追加コストは発生しません。サポートリージョンはこちらを、機能の詳細はドキュメントをご確認ください。
- Amazon RDS for Oracle now supports the April 2025 Release Update (RU)
Amazon RDS for OracleがOracle Database 19cと21cの2025年4月リリースアップデート(RU)のサポートしました。このアップデートにはバグ修正とセキュリティ修正が含まれており、Standard Edition 2とEnterprise Editionの両方で利用可能です。コンソールやAWS SDK、CLIを通じて簡単にアップグレードできる他、自動マイナーバージョンアップグレード(AmVU)を有効にすることで、自動的なアップデートも可能です。新しいマイナーバージョンは、Amazon RDS for Oracleが利用可能なすべてのAWSリージョンで利用可能です。
- Amazon Aurora and RDS for PostgreSQL, MySQL, and MariaDB now offer Reserved Instances for R8g and M8g instances
- 5/15(木)
- Amazon EC2 P6-B200 instances powered by NVIDIA B200 GPUs now generally available
NVIDIA B200 GPUを搭載した最新のGPUインスタンス、P6-B200がGAしました。このインスタンスは、AIワークロードの処理能力が大幅に向上しており、前世代のP5enと比較して最大2倍のパフォーマンスを実現し、GPUメモリ帯域幅も60%向上しています。8個のBlackwell GPUと1440 GBの大容量メモリを搭載し、最新のIntel Xeonプロセッサと高速なネットワーク機能を組み合わせることで、大規模なAIワークロードの処理を可能にしています。AWS Nitroシステムとの統合により、数万個のGPUまでスケールアップが可能で、高度なセキュリティも確保されています。P6-B200インスタンスは現在、米国西部(オレゴン)リージョンのAmazon EC2 Capacity Blocks for MLにおいて、p6-b200.48xlargeサイズで利用可能です。詳細については製品ページをご確認ください。
- AWS Transform for .NET is now generally available
AWS Transform for .NET(旧:Amazon Q Developer transformation capabilities for .NET porting)がGAしました。AWS Transform for .NETはエージェント型AIサービスで、.NETアプリケーションをクロスプラットフォームに変換し、Linux対応することでライセンスコストを最大40%削減することができます。MVC、WCF、Web API、クラスライブラリ、コンソールアプリ、単体テストプロジェクトなど、幅広い.NETプロジェクトタイプの変換をサポートしています。現時点では米国東部(バージニア北部)およびヨーロッパ(フランクフルト)で利用可能です。詳細はブログまたはドキュメントをご確認ください。なおAWS Transformに関しては同じくプレビューだったAWS Transform for mainframe, AWS Transform for VMware is now generally availableも同日にGAが発表されているので、そちらもぜひチェックしてみてください。
- Announcing migration assessment capabilities of AWS Transform
AWS Transformの移行評価機能がGAしました。この新機能では、エージェント型AIを活用することで、従来数週間を要していた移行分析作業を数分で完了させることが可能になります。インフラストラクチャデータをアップロードするだけで、AIが自動的に詳細な分析を行い、コスト最適化の機会を発見し、包括的なビジネスケースを生成します。これにより、企業は迅速かつ正確な移行計画を立案することができ、さまざまな購入オプションやライセンス形態の比較検討も容易になりました。現時点では米国東部(バージニア北部)およびヨーロッパ(フランクフルト)で利用可能です。詳細はブログをご確認ください。
- AWS CodeBuild announces support for remote Docker servers
AWS CodeBuildがリモートDockerイメージビルドサーバーをサポートしました。この新機能では、ビルド間で永続的なキャッシュを維持する完全マネージド型のDockerサーバーを提供し、キャッシュされたレイヤーの再利用や並列ビルドの実行が可能になりました。これにより、プロビジョニングとネットワーク転送の遅延が削減され、ビルド速度が最適化されます。この機能強化により、より効率的なCI/CDパイプラインを構築でき、特に大規模なDockerイメージを扱うプロジェクトに大きな恩恵があります。この機能はすべてのCodeBuild提供リージョンで利用可能です。詳細と設定方法はブログもしくはドキュメントをご確認ください。
- Amazon OpenSearch Ingestion increases memory for an OCU to 15 GB
Amazon OpenSearch Ingestionのメモリ容量が、OpenSearch Compute Unit(OCU)あたり8GBから15GBへと大幅に増強され、処理能力が向上しました。このアップデートは、既存の設定を変更することなく、自動的により多くのメモリリソースが利用可能になります。これにより特にトレース分析や集計処理などのメモリを大量に使用する処理において、パフォーマンスの向上とメモリ不足によるエラーのリスク軽減が期待できます。この機能強化は追加コストなしで提供され、すべてのAWSリージョンですぐに利用可能となっています。詳細についてはドキュメントをご確認ください。
- Amazon EC2 P6-B200 instances powered by NVIDIA B200 GPUs now generally available
- 5/16(金)
- AWS Config rules now available in additional AWS Regions
AWS Config rulesが新たに大阪を含む17のリージョンで利用可能になりました。このアップデートにより、より多くのリージョンでAWSリソースの設定を自動評価し、コンプライアンスを確保することが可能になります。Config rulesはAWSリソースの設定を評価し、Amazon EventBridgeを通じて通知できるサービスで、ベストプラクティスへの準拠を確認できるマネージドルールも提供しています。詳細はドキュメントをご確認ください。
- Amazon Cognito now supports OIDC prompt parameter
Amazon Cognitoで、CognitoマネージドログインにおけるOpenID Connect(OIDC)プロンプトパラメータのサポートが発表されました。この機能強化により、認証フローの制御がより細かく柔軟になり、セキュリティとユーザー体験の両面が向上します。特に’login’プロンプトによる明示的な再認証と’none’プロンプトによるサイレント認証状態チェックの2つの重要な機能が追加されました。これにより、機密情報へのアクセス時の追加認証や、複数アプリケーション間でのシームレスなシングルサインオン体験の実現が可能になります。この新機能はAmazon Cognitoが利用可能なすべてのAWSリージョンで、EssentialsまたはPlus Tierで利用可能です。詳細についてはドキュメントをご確認ください。
- AWS CodePipeline now supports deploying to AWS Lambda with traffic shifting
AWS CodePipelineに新しいLambdaデプロイアクションが追加され、AWS Lambdaへのアプリケーションデプロイが簡素化されました。このアップデートにより、リニアまたはカナリアデプロイメントパターンをサポートすることで、より安全なリリースが可能になりました。CloudWatchアラームと連携した自動ロールバック機能も備えており、本番環境のワークロードに対してより信頼性の高いデプロイメントを実現します。このアップデートはAWS GovCloud(US)リージョンと中国リージョンを除く、AWS CodePipelineがサポートされているすべてのリージョンで利用可能です。詳細についてはドキュメントをご確認ください。
- AWS Config rules now available in additional AWS Regions
それでは、また来週!
ソリューションアーキテクト 根本 裕規