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AWS Summit Japan 2025 ~ 機械学習を活用したサプライチェーンソリューション AWS Supply Chain ブースのご紹介!

みなさんこんにちは!ソリューションアーキテクトの吉田です。本日は、AWS Summit Japan 2025 の AWS Supply Chain ブースの展示内容について、ご紹介いたします。

6 月 25 日 (水)、26 日 (木) に開催される AWS Summit では、機械学習を活用したサプライチェーン管理ソリューションである AWS Supply Chain をご体験いただけます。ご興味のある方はぜひサミット当日に、Hall 7 AWS Expo 内 Industries Pavilion にあります AWS Supply Chain ブースにお立ち寄りください!

ブース概要

AWS Supply Chain は、クラウドベースのサプライチェーン管理アプリケーションで、既存の ERP (Enterprise Resource Planning) やサプライチェーン管理システムと連携して動作します。機械学習 (ML) を活用した需要予測、在庫可視化、アクションにつながるインサイト、コンテキストに基づいたコラボレーション、需要計画、供給計画、N 階層サプライチェーン可視化、そしてサステナビリティ情報管理などの機能を備えており、データに基づいて必要な機能だけ選択的に利用することも可能です。AWS Supply Chain をご利用いただく上で、前払いのライセンス料や、長期契約は必要ありません。当ブースでは、実際のユースケースに基づいたデモを通じて、その価値をご体験いただけます。

また、AWS Supply Chain は今年 4 月にドイツで開催された世界最大級の産業見本市「ハノーバーメッセ 2025」でも展示され、多くの来場者から高い評価をいただきました。ハノーバーメッセでの AWS ブース展示の詳細はこちらのブログ記事でもご紹介しています。

図1. AWS Supply Chain の全体像

図1. AWS Supply Chain の全体像

よくある課題

サプライチェーン管理において、多くの企業が以下のような課題に直面しています:

  • データのサイロ化:異なるシステムや部門間でデータが分断され、全体像の把握が困難
  • 需要予測の精度不足:従来の予測手法では市場の変動に対応できず、過剰在庫や欠品が発生
  • サプライヤー可視性の欠如:複数階層にわたるサプライヤーネットワークの透明性が低く、リスク管理が困難
  • 意思決定の遅延:データ分析に時間がかかり、迅速な対応ができない
  • システム連携の複雑さ:既存システムとの統合に多大なリソースと時間が必要
  • サステナビリティ情報の管理:サプライヤーネットワークを通じた環境負荷データの収集と分析が煩雑

このブースの注目ポイント

AWS Supply Chain は、これらのビジネス課題に対して機械学習を活用した解決策を提供します。

1. サプライチェーンデータレイク(SCDL)による統合データ管理

異なるシステムからのデータを変換・統合し、単一のデータレイクに集約します。これにより、データサイロを解消し、エンドツーエンドのサプライチェーン可視性を実現します。

2. 機械学習を活用した高精度な需要予測

AWS Supply Chain の需要計画機能では、複数の機械学習モデルを活用して高精度な需要予測を実現します。過去の販売データ、季節性、プロモーション効果、市場トレンドなどの要素を考慮し、製品、地域、チャネルなど様々な粒度でのカスタマイズが可能です。

図2. 需要計画

図2. 需要計画

3. インテリジェントなデータ分析と洞察

AWS Supply Chain は、サプライチェーンデータを分析し、重要な運用インサイトを提供します。ダッシュボードを通じて、在庫レベル、需要傾向、供給リスクなどの重要指標を一目で確認できます。

図3. ダッシュボード可視化

図3. ダッシュボード可視化

4. 供給計画の自動化

「自動補充」と「製造計画」の 2 種類の供給計画機能を提供し、需要を満たすための在庫を正確に計画できます。機械学習モデルを活用して、最適な発注量と発注タイミングを提案します。

5. リアルタイムコラボレーション

内部チームと外部パートナーがリアルタイムでコラボレーションできる環境を提供し、サプライチェーン上の問題に迅速に対応できます。

AWS Supply Chain を通じて、お客様は以下のようなビジネス価値を実現可能です:

  • 需要予測精度の向上: 機械学習モデルによる予測精度の向上で、在庫最適化と顧客満足度向上を実現
  • 意思決定の迅速化: リアルタイムデータと分析によるインサイトで、より迅速かつ正確な意思決定
  • コスト削減: 過剰在庫の削減、物流最適化、運用効率の向上によるコスト削減
  • リスク管理の強化: サプライヤーネットワークの可視化とリスク予測による事前対応
  • サステナビリティ目標の達成: 環境負荷データの管理と分析による持続可能なサプライチェーンの実現

当ブースでは、これらの機能を実際にデモンストレーションし、皆様の業界や企業固有の課題に対して AWS Supply Chain がどのように役立つかをご説明します。また、AWS 体験ラボでは実際に AWS Supply Chain を触って試せるワークショップもご準備しております。

今回の AWS Summit Japan 2025 では、e-Bike を設計から製造、販売する製造業を想定し、AWS ソリューションの活用例を製造ブース全体で連携し展示を行います。他の製造関連ブースと合わせてご覧いただくことで、AWS が提供する製造業向けソリューションの全体像をより深く理解いただけます。ぜひお気軽にお立ち寄りください。

利用しているAWSサービス

本ブース展示では以下の AWS サービスを使用します:

  • AWS Supply Chain – クラウドベースのサプライチェーン管理アプリケーション
  • Amazon S3 – サプライチェーンデータレイク(SCDL)のストレージ

それでは、AWS Summit Japan 2025 に AWS Supply Chain ブースでお会いできることを楽しみにしています!

著者

吉田

吉田 英史は、東海地方を中心に小売・消費財業界のお客様を支援しているアマゾンウェブサービスのソリューションアーキテクトです。 かつては製造業で製品の組み込みソフトウェア開発や工場 IoT 構築などに従事してきました。身の回りの生活に欠かせない様々なビジネスをクラウドで加速するお手伝いができることを、何より嬉しく感じています。