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【開催報告】AWS Direct Connect ⼤阪第2ロケーション開設記念イベント を開催しました!!(2025年4月14日)
はじめに
2024/12/13 に待望の Direct Connect 大阪第2ロケーション 「KDDI TELEHOUSE OSAKA2(以下:OSAKA2)」の開設を発表しました。日本全体では 5番目、大阪では Equinix OS1(以下:OS1) に続き2番目のロケーションです。これまでは関西以西の国内 DX ロケーション は OS1 しかなく、ロケーション 冗長を取るには、東京にあるロケーション をバックアップルートに選択する必要があり大阪リージョンにワークロードをデプロイしようとしても 東阪間の往復を許容する必要がありました。今回のアップデートにより関西地域に閉じたロケーション冗長を行うことが可能になり、AWS クラウドの大阪リージョンをメインリージョンとしたワークロードおよびハイブリッドネットワークをより最適化することができます。
本イベントでは、この2つのロケーションを用いた冗長アーキテクチャについてご説明をしました。また、ロケーションを提供いただいた KDDI株式会社 様に加え、OSAKA2 へのコネクティビティを提供いただいている 株式会社TOKAI コミュニケーションズ様、株式会社JPIX様にもご登壇いただき、すぐに OSAKA2 を利用したいお客様のニーズに応える内容となっています。
電力、鉄道など関西を事業基盤とされているお客様や、数多くのお客様のシステムを AWS 上に構築いただいている AWS パートナー 様が中心となり、49名の方に参加いただきました。CSAT は 4.67/5(39名からの回答) と非常に満足度が高いイベントとなりました。
アジェンダ
本イベントでは、AWS セッション、パートナー様セッション、デモとバライティに富んだ内容となっております。
タイトル | スピーカー | 資料 | |
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1 | Opening & Keynote | AWS Shakeel Ahmad | Download |
2 | AWS Direct Connect 大阪第2ロケーション Launch Overview | AWS 櫻井俊和 | Download |
3 | Service Introduction by Direct Connect Partners | ||
3.1 | AWS Direct Connect サービス KDDI Telehouse 大阪2 開設について | KDDI株式会社 森島隆政様、菅原凛太様 | (非公開) |
3.2 | AWS Direct Connect ⼤阪第2ロケーション開設におけるTOKAICOMのご紹介 | 株式会社TOKAI コミュニケーションズ 鈴木賢様、斎藤貴様 | Download |
3.3 | AWS Direct Connect Telehouse OSAKA2への接続について | 株式会社 JPIX 飯塚友久様 | Download |
4 | Routing Topology デモ | AWS 丁亜峰、奥村洋介 | (非公開) |
5 | Networking ( 懇親会 ) |
Opening & Keynote
オープニングスピーカーは APJ のスペシャリストチームをリードしている Shakeel から AWS のグローバルインフラストラクチャとダイレクトコネクトについてお話ししました。会場では逐次通訳にて日本語でもお届けしています。
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Shakeel Ahmad – Specialist SA Leader, APJ
AWS Direct Connect 大阪第2ロケーション Launch Overview
本セッションでは、AWS Direct Connect の回復性に関する推奨事項 で本番環境のワークロードにはマルチサイト(ロケーション)でのデプロイを推奨していること、OS1/OSAKA2 の冗長構成を組むことで推奨構成を満たしつつ大阪リージョンへ低レイテンシーの接続が期待できることをご説明しました。注意事項として、OS1/OSAKA2 ロケーションは Associated AWS Region が OS1 は東京リージョンに、OSAKA2 は大阪リージョンに設定されています。異なるリージョンに関連付けられていることで、ルーティングを制御するための設定には注意が必要です。ネットワークスペシャリスト SA の奥村さんが投稿されたテックブログ「AWS Direct Connect のトラフィックコントロールと大阪リージョンとの接続」にて詳しく説明されています。ご確認ください。
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櫻井 俊和 – Sr. Solutions Architect
Service Introduction by Direct Connect Partners
ここからはイベントのメインセッションとなります。パートナー様よりOSAKA2 コネクティビティサービスの提供情報についてお話いただきました。
AWS Direct Connect サービス KDDI Telehouse 大阪2 開設について
パートナー様セッションのオープニングは ロケーションを提供いただている 株式会社 KDDI 様にご登壇いただきました。はじめにグループ戦略本部 テレハウス企画部 森島様よりKDDI のデータセンターの取り組み、AWSとKDDI の連携について、Telehouse 大阪2について、AWS Direct Connect 接続パターンについてお話しいただきました。具体的な契約手続きについてもふれていただきました。Part 2 として プロダクト本部 ネットワークサービス企画部 菅原様より WVS2 マルチクラウドゲートウェイの概要と、Telehouse 大阪2開設にむけた将来像についてお話しいただきました。
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KDDI株式会社 森島 隆政 様
AWS Direct Connect ⼤阪第2ロケーション開設におけるTOKAICOMのご紹介
続いて、株式会社TOKAI コミュニケーションズ 法人営業部 ⻄⽇本事業部 鈴木様にご登壇いただきました。TOKAI コミュニケーションズ様は国内 14番目のプレミアパートナー (2025/04現在、国内15社)として企業様の AWS 導入をご支援いただいています。すでに閉域網サービス「BroadLine」からの AWS 接続サービスを展開されています。2025/04 には 「BroadLine」を九州エリアまで延伸され、多くの西日本エリアのお客様へ提供が可能となりました。後半には 法人営業部 技術開発事業部 齋藤 様にご登壇いただき、 BroadLine と AWS 接続サービスを使用して、OS1、OSAKA2、AT Tokyo CC1 とのレイテンシー比較のテスト結果を発表いただきました。OSAKA2 を経由したの大阪リージョン、東京リージョンとのレイテンシーは、OS1 と同等で安定しており、OS1をご利用のお客様がOSAKA2へ拡張した場合でもこれまでと同等のネットワーク品質が期待されます(計測データは当日のみ、資料非公開)。
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株式会社 TOKAIコミュニケーションズ 鈴木 賢 様
株式会社 TOKAIコミュニケーションズ 齋藤 貴 様
AWS Direct Connect Telehouse OSAKA2への接続について
パートナー様セッションの最後として 株式会社JPIX コネクティビティ部 飯塚様にご登壇いただきました。Telehouse OSAKA2 は大阪ビジネスパーク(OBP) に立地しています。 OBP コネクトサービスを利用することで、OSAKA2 に芯線接続が可能となります。利用者は JPIX 様が提供するファイバー網を利用するか、OBPコネクトサービスと連携している大阪なにわリング に接続することで、OSAKA2 へ接続することが可能です。大阪なにわリングは JR 西日本光ネットワーク様及びBBバックボーン様が光ファイバーを提供しており、提供エリアは大阪市内の主要データセンターから JR 西日本営業管轄エリアに広がります。JPIX様は インターネットエクスチェンジを提供する事業者様ですが、IX ポートサービスで提供される L2 ポートから Telehouse OSAKA2 まで延伸し、構内配線にて AWS Direct Connect への接続が可能な付加サービスとして提供されています。
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株式会社JPIX 飯塚 友久 様
Routing Topology デモ
最後に AWS SAs(丁/奥村) から OS1/OSAKA2 を冗長構成とした経路制御のデモを実施しました。オンプレミス模擬のルータに BGP commuity を設定して、AWS → オンプレミス向きの経路を OS1 を優先するよう変更し、Traceroute コマンドにて確認しました。検証用の回線は TOKAI コミュニケーションズ様より提供いただきました。ありがとうございました。
(左) 丁亜峰 – Solutions Architect
(右) 奥村洋介 – Network Specialist Solutions Architect
おわりに
Direct Connect 大阪第2ロケーション(OSAKA2)の登場により、関西以西の国内拠点からは、OS1/OSAKA2 に接続することで関西地域に閉じたロケーション冗長を行うことが可能になりました。2つのロケーションと大阪リージョンを活用することで、ミッションクリティカルなワークロード、低レイテンシーが求められるワークロードに対して要求を満たすことができます。また、これまでOS1 単独ロケーションで回線を冗長されていたお客様は OSAKA2 を利用することで可用性の向上が期待できます。ダイレクトコネクトロケーションまでのコネクティビティはご登壇いただいた皆様をはじめとしたパートナー様によるサービス提供によって成り立っています。本イベントにてOSAKA2 がパートナー様接続サービス含め利用可能な状態であることをお伝えいただきました。ご登壇いただきました KDDI株式会社様、株式会社TOKAI コミュニケーションズ様、株式会社JPIX様に重ねてお礼申し上げます。OSAKA2 のご利用にご興味がある方は、AWS担当営業へご相談ください。
著者: Sr. Solutions Architect 櫻井 俊和