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AWS X-Ray SDK / Daemon のサポート終了と OpenTelemetry 移行のお知らせ
AWS X-Ray 用の SDK と Daemon は2026年2月25日にメンテナンスモードに入り、2027年2月25日にサポート終了となります。OpenTelemetry ベースの計装ソリューションへ移行することで、AWS 内でアプリケーションのトレースを継続して生成できます。
 AWS X-Ray 用の X-Ray SDK と Daemon を使用している既存のアプリケーションは、意図された通りに機能し続けます。ただし、2026年2月25日から2027年2月25日の間、X-Ray SDK とDaemon は重要なバグ修正とセキュリティアップデートのみ対応され、新機能をサポートするための更新は行われません。例えば、SDK は追加のライブラリ計装や既存のライブラリ計装の機能強化は対応されません。
 以下の表は、X-Ray SDK と Daemon のライフサイクルの各フェーズにおけるサポートレベルの概要を示しています。
| SDK ライフサイクルフェーズ | 開始日 | 終了日 | サポートレベル | 
| 一般提供 | N/A | 2026年2月25日 | この段階では、SDK と Daemon は完全にサポートされます。AWSは、バグ修正とセキュリティ修正を含む定期的な SDK / Daemon リリースを提供します。 | 
| メンテナンスモード | 2026年2月25日 | 2027年2月25日 | AWS は、重要なバグ修正とセキュリティ問題への対応を目的とした SDK と Daemon のリリースのみを行います。SDK / Daemon は新機能の拡張を受け取ることはありません。 | 
| サポート終了 | 2027年2月25日 | N/A | SDK と Daemon は、今後アップデートやリリースを受け取ることはありません。以前に公開されたリリースは、パブリックパッケージマネージャーを通じて引き続き利用可能であり、コードは GitHub 上に残ります。 | 
AWS X-Ray は、アプリケーショントレースとオブザーバビリティの主要な計装標準として OpenTelemetry に移行しています。アプリケーションからトレースを生成して AWS X-Ray に送信するために、OpenTelemetry ベースの計装ソリューションへの移行をお勧めします。コンソールでの体験は従来と同じままです。
 OpenTelemetry は、トレーシング計装とオブザーバビリティのための業界全体のオープンソース標準であり、IT チームにテレメトリデータの収集とルーティングのための標準化されたプロトコルとツールを提供します。メトリクス、ログ、トレースなどのアプリケーションテレメトリデータを計装、生成、収集し、分析と洞察のためにモニタリングプラットフォームにエクスポートするための統一されたフォーマットを提供します。これにより、より迅速な機能開発と、業界全体で一貫したより広範なツールと統合のセットが実現されます。OpenTelemetry 計装ソリューションは、フレームワークとライブラリの計装、より多くの言語サポート、およびゼロコード計装機能に対してより幅広いサポートを提供します。
 移行を支援するために、AWS X-Ray ドキュメントで移行ガイダンスと例を見つけることができます。
Amazon CloudWatch において、AWS Distro for OpenTelemetry (ADOT) やネイティブな OpenTelemetry に移行すると、アプリケーションヘルスモニタリングの強化のための CloudWatch Application Signals や、アプリケーションのトランザクションスパンへの完全な可視性を提供する Transaction Search などの強力なツールにアクセスできるようになります。
 OpenTelemetryについてさらに学び、OpenTelemetry を活用する AWS CloudWatch のより多くのソフトウェアソリューションを活用するには、以下のリソースを参照してください。
- Amazon CloudWatch with OpenTelemetry では、OpenTelemetry を使用してアプリケーションで CloudWatch を使用する方法を説明し、Application Signals や Transaction Search などの強力なツールを有効にする方法を説明しています。
 - X-Ray 計測から OpenTelemetry 計測への移行 では、AWS Distro for OpenTelemetry (ADOT) または OpenTelemetry SDK の使用に切り替える方法の例を説明しています。
 - OpenTelemetry の公式ドキュメントでは、OpenTelemetry の使用に関するすべてのノウハウを説明しています。
 
フィードバック
サポートが必要な場合やフィードバックがある場合は、AWS サポートまでお問い合わせください。
また、GitHub (Java, Python, JavaScript, .NET, Go, Ruby) でディスカッションやissueを開くこともできます。AWS X-Ray SDKs と Daemon for AWS X-Ray をご利用いただき、ありがとうございました。
本記事は、Announcing AWS X-Ray SDKs/Daemon End-of-Support and OpenTelemetry Migration を翻訳したものです。翻訳は Technical Account Manager の 日平 が担当しました。